オリックス<8591>、化粧品・健康食品大手のDHCを子会社化へ

都内の直営店

オリックスは11日、化粧品・健康食品大手のディーエイチシー(DHC、東京都港区。売上高905億円、営業利益166億円、純資産1208億円)を子会社化すると発表した。成長分野であるヘルスケア事業の拡大につなげる。同社創業者で大株主の吉田嘉明会長兼社長から発行済み株式の過半を取得する契約を結んだ。株式取得は2023年3月期中を予定している。

他の株主からも株式を買い取り、完全子会社化を目指す方向で、取得価額は総額3000億円規模とみられている。オリックスは株式取得に関する取引内容が具体化した際に詳細を改めて知らせるとしている。

DHCは積極的なテレビ宣伝や通信販売を通じて国内で高い知名度を持つ。直営店に加え、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど通販以外にも広範な販路を持つ。

オリックスはDHCの円滑な事業承継を後押しする狙いもある。DHC創業以来トップを務めてきた吉田氏はオリックスによる子会社化が完了した段階で退任する予定。

DHCは「大学翻訳センター」の頭文字から命名。創業者の吉田氏が大学卒業後の1972年に大学の研究室向けに翻訳業務サービスの会社を立ち上げたことに始まる。その後、1980年に天然成分にこだわった基礎化粧品の製造に進出し、通販主体に業績を伸ばした。健康食品、ダイエット、ファッション分野なども展開。通販会員数は約1570万人(11月時点)。

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