生誕140周年 小川未明フェスティバル 童話の世界 多様に表現 感想文発表や朗読など

 小川未明フェスティバル2022(上越文化会館、新潟県など主催)が26日、上越市新光町1の上越文化会館中ホールで開かれた。未明童話『黒い人と赤いそり』をテーマとし、さまざまな表現で未明の世界に迫った。

上越教育大附属中生徒有志による朗読劇『野ばら』

 『黒い人と赤いそり』は大正11年に発表された作品。はるか北の国を舞台とし、氷に流された仲間のため、命をなげうって救助に向かい、戻ってこなかった5人と、「人間業では、どうすることもできない」と助けに行かなかった大勢を描いている。
 上越市の小学生を対象とした読書感想文コンクールでは106人から応募があり、フェスティバルで表彰と発表が行われた。大賞を受賞した大谷久人君(稲田小6年)は「困っている人をすぐに助けられるような行動力を身に付けられるよう頑張っていきたい」と述べた。
 未明生誕140周年を記念し、今回初めて自由作文コンクールを実施。中学生以上を対象とし、全国から約230編の応募があった。大賞の齋藤幸子さん(83、上越市春日山町3)をはじめ入賞者が表彰され、作文を発表した。
 後半はステージイベントを実施。上越教育大附属中3年の間山理咲さんが『黒い人と赤いそり』を朗読した他、同校3年生の有志11人が朗読劇を上演。年間を通じて取り組んでいる未明学習の成果を生かし、現代版にリメークした『野ばら』を披露した。未明の孫で詩人の小川英晴さんによる詩の朗読、『黒い人と赤いそり』をモチーフにした創作フラメンコの発表も行われた。

読書感想文コンクールで大賞を受賞し、感想文を発表する大谷君

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