「臨海地下鉄」構想を発表 小池都知事「都心部と臨海部をつなぐ背骨」と期待

東京都の小池知事が新たな「臨海地下鉄」の計画を発表しました。新線を「都心部と臨海部をつなぐ背骨」と表現し、新たな交通機関への期待感を示しました。

小池知事は11月25日の定例会見の中で新たな交通機関である「臨海地下鉄」に着手する構想を発表し、その内容を明かしました。計画では東京駅から東京ビッグサイトまでの6.1キロの距離に合わせて7つの駅を新たに造る考えです。小池知事は「臨海部は大規模でさまざまな開発が進み、今後、世界から人と投資を呼び込むポテンシャルを持つエリア。この地下鉄は都心部と臨海部をつなぐ基幹的な交通基盤で、いわば背骨としての役割が期待されている」「地下鉄の開通で晴海の選手村跡地、築地の街づくりなど沿線の利便性が向上して、個性豊かな街の魅力が一層発揮されることとなる」と述べました。

新たな地下鉄建設について新駅ができる臨海部の住民は「銀座もつながるんですね。銀座に行こうとするとバスだったので、直でつながるのはありがたい」「すごく便利になっていいと思う。銀座からお台場方面に出やすくなる。(開通するのが約20年後というのは)結構先ですね」と話す人もいましたが「今でも行きやすいところが多い場所なので、わざわざ新線を造る必要があるのかなと思う。でも便利になるにはなるのでは」と話す人もいました。

今後はつくばエクスプレスと羽田空港との接続に向けて検討を進め、より一層の利便性の向上を目指します。事業規模は4000億円から5000億円ほどを想定し、2040年ごろの実現を目指すとしていて、具体的な時期について小池知事は「これから順次伝えていく」と話しています。

<都内各地で延伸や整備計画が続々…>

都内ではこの他にも鉄道路線延伸の整備や計画案が進められています。

まず、2022年3月に整備が決定したのが「地下鉄8号線」です。東京メトロ有楽町線を豊洲駅から住吉駅まで延伸するもので、豊洲-住吉駅間には3つの駅が設置される予定です。中間駅の場所として枝川、東陽町、千石が計画されています。開業は2030年代半ばを目標としていて、交通の利便性だけでなく新しい駅ができることによる地域の活性化にも期待が寄せられています。

大田区内ではまだ延伸は決定していませんが「蒲蒲線」とも呼ばれる「新空港線」の計画が検討されています。JRと東急が入る蒲田駅と京急蒲田駅の800メートルをつなぐ計画で、開通すると渋谷・新宿などの都心や羽田空港へのアクセスの向上が期待されます。仮に整備が決まった場合、事前の手続きに3年程度、さらに工事着手から開業までおよそ10年が想定されているということです。

多摩地域で延伸の実現に向けて動きが見られるのが「多摩モノレール」です。東京都は2022年10月、上北台駅(東大和市)からJR箱根ケ崎駅前(瑞穂町)までのおよそ7キロを延伸する素案を発表しました。都の担当者は「順調にいけばこれから3年程度で認可が下りるのでは」と見込んでいます。

新たな鉄道路線の整備には完成まで長い年月を要しますが、街づくりの新たな起爆剤になりそうです。この長い期間が間、地域の人たちが"未来の暮らし”を考えるきっかけにもなってほしいものです。

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