怖すぎる“元ネタ”解説! 未解決事件スリラー Netflix『ザ・ウォッチャー』はどこまで本当? ナオミ・ワッツ主演

Netflixシリーズ『ザ・ウォッチャー』独占配信中

話題の“実話ベース”スリラー

ナオミ・ワッツ主演のNetflixオリジナルシリーズ『ザ・ウォッチャー』は、2018年にニューヨーク・マガジンに掲載された記事をベースにした実話スリラーだ。

ドラマ化に際してフィクションも交えているというが、豪華な邸宅に移り住んだ家族を襲う不気味な現象の数々は、どこまで事実に基づいているのだろうか? そして現在の“家主”は……?

どこまでホント? 誰もが怪しく見えてくる……

二人の子供を持つ夫婦ノラ(ナオミ・ワッツ)とディーン・ブラノック(ボビー・カナヴェイル)は、一念発起して郊外の邸宅を購入し移住。いわゆるプチブルジョワ的な住環境で、正直かなり金銭的には無理をしている。

それでも一家は夢のマイホームに満足していたが、不気味な隣人(ミア・ファローが怪演!)や不穏な噂、怪しい手紙を寄越してくるストーカーなど、耐え難いノイズに煩わされるようになっていく。物語が始まってしばらくは誰が/何が“恐怖”の正体なのか分からず、一家とともに事態を見守ることになるだろう。

まず、ある夫婦が2014年にニュージャージー郊外の邸宅を購入したことと怪しい手紙の件は事実だが、事件自体は実際に移り住む前の出来事のようだ。しかし夫婦が改装を始めると、長らく邸宅を監視してきたと嘯く“ウォッチャー”なる人物から手紙が届くようになる。手紙にはドラマと同じく邸宅に関する詳細や、子どもたちの名前など知りうるはずのない情報が書かれていて、警察に相談する事態になった。

当然ながらドラマでは「誰が犯人なのか?」という部分を物語の起動力にし、その合間に隣人トラブルや私立探偵とのやり取り、家を売る/売らない、犯人への復讐、同じような被害に遭ったという前住人のエピソードなどを挟み込んでいく。中でも不気味な隣人や私立探偵の存在は事実をベースにしていて、手紙の内容なども一部そのまま引用しているそうだが、劇中で言及される“カルト教団”の存在は完全にフィクションである。

ちなみに登場人物の一人である建物検査官のジョン・グラフも“ある実在の人物”を基にしているが、詳細は伏せておいたほうがいいだろう。一体どのキャラクターが事件に関与しているのか、観る側を疑心暗鬼にさせる演出の一つでもあるからだ。

本当に怖いのはウォッチャーではない?

ドラマでは“ウォッチャー”の存在によって家族が憔悴し、徐々に生活が破綻していく様子がストレスフルに描かれる。比較的最近の出来事なので、ネット上ではいかにもホラー的な憶測が飛び交い、夫婦の自作自演説なども囁かれたが、現在のところ地元警察は捜査を続けてはいるものの未解決事件としているようだ。

果たしてドラマでは、どう決着をつけるのか? 事件の顛末よりも崩壊待ったなしの家族関係や一社会人としての信用問題のほうが心配になってくるが、中盤過ぎにかなりのびっくり展開を盛り込み、怪しい新キャラを投入したりと、この手のシリーズにありがちな中だるみを許さない。

ちなみに現在の“ウォッチャーハウス”の家主は同じような事件は起こっていないと言っており、むしろ再び話題になってしまった邸宅を見物に来る人の多さのほうに辟易しているらしい……。なおシーズン2の制作も決定したようだが、続編になるのか異なるエピソードが描かれるのかは不明だ。

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