仕事や日常生活で有意義な話し合いをするために知っておきたい「素朴なリアリズム」とは何か?【社会心理学】

実りある議論をするために

人にはある物事への認識について「自分の解釈は真実であり、相手もそれをわかっているはずだ」という思い込みがあります。これは「素朴な現実主義」と呼ばれ、以下の3つの信念からなります。

(1)自分は、あらゆる出来事を客観的現実そのままに見ており、自分の態度や信念は、手に入った情報や証拠を冷静で、歪みがないように理解した結果である。

(2)自分と同じ情報にアクセスした上で、筋道を立てて熟慮し、偏りなく吟味できれば、他者も自分と同じ反応、行動、意見にいたる。

(3)自分と相手の意見が合わないときは、(1)他者は自分と異なる情報に接触した、(2) 他者は怠慢で、理性的でない。客観的証拠から筋の通った結論を導く規範的方法をとることをしない、もしくはできないのいずれかである。

ある問題について議論を行う際、賛成派と反対派が互いに自分の主張を譲らず、議論が平行線になるということはよくありますが、双方がこの「素朴な現実主義」に染まっていると考えれば、平行線になるのも納得です。 有意義な議論を行うためには、「自分がそうであるように、相手も自分が正しいと信じている」ということを理解しておくことも大切になってくるのです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』 監修:亀田達也

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

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