バイト経験70以上…よしもと芸人ピストジャムに聞いた「怪しいバイト」/女子アナ日下千帆の「私にだけ聞かせて」

日下アナとピストジャム

バイトと聞くと、10代、20代のころの青春の思い出みたいなイメージがありますが、今回ご紹介するお笑い芸人、ピストジャムさんは、44歳の今もバリバリ現役バイト生活を送っています。

いつかお笑いで売れる日が来るのを夢見て、65才まではバイトしながら頑張ると意気込んでいます。そんなバイトマスターのピストジャムさんに、バイトにまつわるエピソードをお聞きしました。

京都府木津川市出身のピストジャムさんは、偏差値70を超える大阪星光学院高校を出て、慶応大学法学部を卒業したエリート。しかし、就活では3社ほど受験したもののご縁がなく、友人の “こがけん” さんを「絶対、売れるから」と誘って吉本興業の養成所に入りました。

2002年4月、『マスターピース』というコンビ名で念願のデビュー。その後、コンビは解散したのですが、元相方の “こがけん” さんは「おいでやすこが」として『M-1』決勝に進出し、大ブレイク。一方のピストジャムさんは、コロナでうなされながら、その画面を見つめていました。

――本職のお笑いでは、月にいくらくらい稼いでいらっしゃるのですか?

「最近は月収2万5000円とよくなっていますが、月450円なんてときもありました。1000円以下は振り込まれないので、3カ月待つことも。 確定申告で税務署に行っても、年間事業所得4500円という年もあり、税務署の人たちに応援されている気がしました(笑)」

――現在はどのようなバイトをされているんですか?

「祐天寺のお弁当屋さんで配達をしています。以前は同じエリアでピザの配達をしていたのですが、そのお弁当屋さんのバイトがみんな楽しそうなので転職しました。今のバイトには、けっこう満足しています。

僕は、バイト収入は月に15万円を上限と決めています。お笑いで15万円稼げたらバイトをやめようと決めているからです」

――これまで数多くのバイトを経験されたそうですが、怪しいバイトはありましたか?

「学生時代から22年ほど続くバイト生活で、70種類ほどのバイトを経験しましたが、怪しさ満点でお断りした案件が2つあります。

1つめは、商店街の地図を勝手に制作するバイトです。商店街の入口に置いてある手書き地図を見たことはありませんか? あれを勝手に制作し、商店街をまわって、各店舗から2000円ずつ徴収するバイトがありました。

『他のお店もみなさん払ってますよ』と言うと、何の疑問も持たずに払ってくれるそうです。自治体も行政も関係ないし、設置の許可も得ていないので、これはやばいと思ってお断りしました。

もう1つは、メールオペレーター募集という広告を見て、面接に行ったのですが、そこは出会い系サイトのオフィスで、男性が女性になりすまし、男性会員からのメールに返信するという仕事でした。

1人で5人ほどのキャラクターを演じ分け、相手の居住地がわかると、グーグルマップで近所の様子を調べ、偶然、近くに住んでいるように見せかけるのです。フロアいっぱいにメールを返している男性たちがいて、奇妙な光景でした。この仕事もお断りさせていただきました」

――いろいろなバイトがあるんですね。でも、44歳でバイト生活だと、ご両親も心配されているのでは?

「はい。あまりにお金がないことを知った父が、定年後に再雇用の道を選び、『扶養家族にならないか』と聞いてきたくらいです(笑)。

10月にバイト経験をまとめた本を出したのですが、タイトルの『こんなにバイトして芸人続けなあかんか』というのは、実際に母から言われたセリフです。面白いのでタイトルに使いました。

10年ほど前は、『今やめたら、まだ戻ってこれる』とも言われました。今回、父から『本を読んだよ』と連絡が来たので、『やっと五合目に来たと思って頑張るよ』と答えたら、『まだ樹海の入口だ』と返されました。

先日、『スッキリ』(日本テレビ系)に出たときも、両親から連絡がありました。父からは『発声練習しろ。お前の声は聞きとりにくい』、母からは『あんたは、頑張りすぎている。ボソボソゆっくりしゃべったほうがいい』と、真逆ともとれるアドバイスをもらいました」

――応援されていますね。今後はどのように活動されていきますか?

「小学5年生から中学3年生まで『こども二科展』で入選していたのを思い出し、再び絵を描き始めたんです。そうしたら、2020年は『近代美術協会展』、2021年は『モダンアート展』で入選させていただきました。名刺代わりにお渡ししているシールも自分でデザインしています。お笑いだけでなく、今後は執筆、アート関連など幅広く活動していきたいです」

■失敗しないバイト選びの3カ条

(1)仲間が働いているところに行く
(2)下見をする。飲食店ならお客として行ってみる
(3)時給ではなく、働きやすさで選ぶ

●日下千帆(くさかちほ)
1968年、東京都生まれ。1991年、テレビ朝日に入社。アナウンサーとして『ANNニュース』『OH!エルくらぶ』『邦子がタッチ』など報道からバラエティまで全ジャンルの番組を担当。1997年退社し、フリーアナウンサーのほか、企業・大学の研修講師として活躍。東京タクシーセンターで外国人旅客英語接遇研修を担当するほか、supercareer.jpで個人向け講座も

© 株式会社光文社