4つの銀河団が衝突してできた「パンドラ銀河団」ハッブル宇宙望遠鏡の画像を振り返る

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した銀河団「Abell(エイベル)2744」(Credit: NASA, ESA, and J. Lotz, M. Mountain, A. Koekemoer, and the HFF Team (STScI).)】

こちらは「ちょうこくしつ座」の方向約40億光年先にある銀河団「Abell(エイベル)2744」です。銀河団とは、数百~数千の銀河が集まっている巨大な天体のこと。画像にはAbell 2744に属さないものも含め、数え切れないほどの渦巻銀河や楕円銀河が写っています。

約500個の銀河からなるAbell 2744は、3億5000万年以上に渡って少なくとも4つの銀河団が衝突したことで形成されるという、激しい歴史を経験してきたと考えられています。銀河団どうしが衝突した結果、Abell 2744では一部の銀河が銀河団の重力によって引き裂かれ、どの銀河にも属していない星々が銀河団の内部に散らばっているとみられています。銀河団の衝突によってさまざまな現象が引き起こされたことから、Abell 2744は研究者によって「Pandora's Cluster(パンドラ銀河団)」とも名付けられています。

冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」を使って取得された画像(可視光線と赤外線のフィルター合計7種類を使用)をもとに作成され、2014年1月7日に公開されていたもので、アメリカ航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡Twitter公式アカウントが2022年11月23日付で改めて紹介しています。

Source

  • Image Credit: NASA, ESA, and J. Lotz, M. Mountain, A. Koekemoer, and the HFF Team (STScI).
  • STScI \- Abell 2744 Frontier Field
  • ESA/Hubble \- Pandora's magnifying glass

文/sorae編集部

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