岡山をより魅力的に 芸術交流閉幕 那須Dと識者 先鋭アート振り返る

芸術交流の感想などを語り合う那須総合ディレクター(右)ら

 岡山市中心部で51日間にわたって催された3年に1度の現代アート展「岡山芸術交流2022」(市などでつくる実行委主催)が、27日閉幕した。同市北区中央町の蔭凉寺でクロージングイベントがあり、那須太郎総合ディレクターが識者ら3人と、13カ国28組の作家による展示を振り返り、意見交換した。

 今年7~10月に愛知県で開かれた「あいち2022」の芸術監督を務めた片岡真実・森美術館長、アートジャーナリスト小崎哲哉さん、京都芸術大の浅田彰教授が登壇。浅田教授は「アートで島々に光を当てる瀬戸内国際芸術祭と、先鋭的なアートがそろう芸術交流。性質の異なる二つの芸術祭が、地域をより魅力的にしている」と指摘した。

 片岡館長は、新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵攻などで「世界が多様になり、国際展をつくるのが難しくなっている。その中で岡山は作品の質を高く保ちながら、市民参加を進めている」と評価。那須総合ディレクターは「作家と高校生が協働したり、地元表現者がステージ出演したり、アートをより身近にできた。市民がアートを通じ世界に触れる“岡山モデル”がつくれたら」と話し、約50人が聞いた。

 岡山芸術交流は16年に始まり、3回目の今年はタイの美術家リクリット・ティラヴァーニャさんを芸術監督に起用。旧内山下小(同丸の内)など10会場に約90作品を展開した。

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