“保存継承に磨きかける” 無形文化遺産登録勧告「対馬の盆踊」披露 対馬で島郷土芸能発表大会

「対馬島郷土芸能発表大会」が27日、対馬市豊玉町で3年ぶりに開かれ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録勧告された「風流踊」を構成する「対馬の盆踊」も披露された=対馬市公会堂

 対馬各地に伝わる盆踊りや民謡などを集めた「対馬島郷土芸能発表大会」が27日、対馬市内であり、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録勧告された「風流踊」を構成する「対馬の盆踊(ぼんおどり)」が披露された。
 対馬の盆踊は、対馬市峰町の三根上里と吉田、厳原町の阿連と曲の計4地区の盆踊りで構成。起源は室町時代の念仏踊りにさかのぼるとされ、2列縦隊を基本隊形として踊る独特の形式などが伝わる。

ステージ上で、扇子を手に盆踊りを披露する三根上里地区の保存会メンバー=対馬市豊玉町、市公会堂

 大会には4地区のうち、三根上里地区の盆踊り保存会メンバーが出演。父の敵を討つため、娘が武士になぎなたで立ち向かう仕組み踊りや、祝言の手踊り、扇子踊りを披露した。永留安生会長(73)は「登録勧告の責任を感じながら踊った。保存継承にますます磨きをかけたい」と話した。
 大会は対馬島郷土芸能保存会が3年ぶりに開き、30回目。4地区以外に伝わる盆踊りのほか、各地域の子どもらによる和太鼓、民謡などの発表もあった。
 風流踊は、本県の3件を含む24都府県41件の盆踊りや念仏踊りなどで構成。28日から12月3日までユネスコがモロッコで開く政府間委員会で勧告通り、登録が決まる見通し。


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