土呂久鉱山跡 憩いの広場に 宮崎国際大生ら植樹

土呂久鉱山跡地を憩いの広場に整備しようと、住民と一緒に植樹する宮崎国際大生ら

 かつてヒ素鉱害のあった高千穂町岩戸の土呂久地区で環境学習を続けている宮崎国際大(宮崎市)の学生らが27日までの3日間、土呂久鉱山跡地を訪れ、住民と協同で荒れ地を整備し、苗木を植えた。学生らは「憩いの広場を整備し、より明るく魅力ある地域にしたい」と構想を思い描く。
 訪れたのは教育学部の4年生ら10人。1年前から主要坑道「大切坑(おおぎりこう)」の内部見学や農家の牛舎見学などを通し、土呂久の歴史と地域の魅力を学び、住民と交流を深めてきた。鉱山跡に住民が100本以上の桜やツツジを植えて維持管理していることを知った学生が、広場整備の構想を同大学に提案したところ、支援を受けられることになった。
 学生は手伝いに駆け付けた住民と一緒にやぶを切り開き、桜2本とカエデ12本を植樹。教育学部4年川越怜奈(れな)さん(21)は「まだ一歩目を踏み出したところだが、取り組みを後輩に引き継ぎ、地域内外の人が憩う広場をつくりたい。地域の方とも親しくなれたので、また必ず来る」と話した。作業を手伝った地元の佐藤幸利さん(79)は「過疎の地域に若者が集まり、交流ができてうれしい。春の桜、秋の紅葉が楽しみ」と笑顔を見せた。

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