『サカつくRTW』では11月23日から南米のスーパースターたちが登場する“世界大会開催記念 LEGEND SCOUT”を開催中だ。
最先端の戦術はヨーロッパかもしれないが、サッカーへの情熱という点においてラテン・アメリカの人たちは常にサッカー界をリードしてきた。
そこで今回は、1971年に始まった「南米年間最優秀選手」の選定において、過去6人しかいない「2年連続で選出された選手たち」をご紹介しよう。
カルロス・テベス
受賞年:2003,2004,2005
今年現役引退を表明し、現在は故郷のロサリオ・セントラルで監督を務めているテベス。
シティとユナイテッド、両マンチェスターのクラブで活躍したスターは、貧民街から成り上がったという背景などがマラドーナを彷彿とさせ、アルゼンチン国内で絶大な人気を誇った。
そんな彼はボカ時代、リケルメの後継的な存在として頭角を現し2003年にリベルタドーレスを制覇。トヨタカップ(現クラブワールドカップ)で来日し、ミランを撃破して世界一の称号を手にした。
2003年から2005年まで3年連続で南米年間最優秀選手に輝き、それらの実績を引っ提げて欧州へと渡っている。
ネイマール
受賞年:2011,2012
ブラジル代表の「10番」として3大会連続でのワールドカップに臨むネイマール。
サントス時代、ガンソと共に脚光を浴びたアイドルは、変幻自在のドリブルを武器にリベルタドーレスやクラブワールドカップで大活躍。
名門サントスを王様ペレが在籍した1963年以来となる南米王者へと導き、2011,2012年と連続で南米年間最優秀選手に選出された。
当時の期待からすると近年の活躍はやや寂しいものがある。ワールドカップ・カタール大会で再び輝きを取り戻せるだろうか。
フアン・セバスティアン・ベロン
受賞年:2008,2009
父親は1970年代に活躍し、“魔術師”と呼ばれたフアン・ラモン・ベロン。その息子ということで“小さな魔法使い”と呼ばれたのがフアン・セバスティアン・ベロンだ。
1990年代後期に「世界で最も厳しいリーグ」といわれたセリエAの舞台で活躍。世界最高のMFの一人として、アルゼンチン代表でも司令塔の役割を担った。
マンチェスター・ユナイテッドでの失敗以降評価を下げてしまったが、母国に復帰してその優れた才能を改めて証明する。
父親も活躍した古豪エスティディアンテスを復活へと導き、2008,2009年と2年連続で南米最高の選手に。現在はそのエストゥディアンテスの会長を務めている。
エリアス・フィゲロア
受賞年:1974,1975,1976
チリといえば近年ならビダルやアレクシス・サンチェス、もうひと昔前ならサラス、サモラーノの“ササコンビ”であるが、往年のサッカーファンにはエリアス・フィゲロアになるだろうか。
屈強な肉体と非常に高い統率力を誇ったセンターバックで、今なお南米史上最高のDFに数えられるほどの偉人である。
とはいえDF。なかなか評価をされ辛いポジションだが、ブラジルの名門インテルナシオナル時代に全てのシーズンで州選手権優勝を果たすという偉業を成し遂げ、1974~76年に3年連続で南米年間最優秀選手に選出された。
ちなみにワールドカップには1966年、74年、82年と1大会おきに通算3度出場している。
ディエゴ・マラドーナ
受賞年:1979,1980
世界最高の選手として君臨するメッシが常に比較され続けたのが神様マラドーナである。
ペレと並びサッカー史上最高の選手に数えられるマラドーナは、何物にも縛られない破天荒な生き様が情熱的なアルゼンチン国民の心を捉え、亡くなった現在でも宗教的な人気を誇っている。
そのマラドーナがメッシより崇拝される理由が「ワールドカップを取ったかどうか」であるが、同時にスペインで育成されたメッシとは異なり、「南米の地で活躍した」という実績であろう。
ボカに移籍する前の1979,80年、アルヘンティノス・ジュニオルス時代に2年連続で南米最優秀選手に選ばれている。
ジーコ
受賞年:1977,1981,1982
王様ペレになぞらえ、“白いペレ”と呼ばれたジーコ。
キャリア最晩年には日本へと渡り、常勝・鹿島アントラーズに勝者のメンタリティを植え付けると、引退後には日本代表監督としてもアジアの頂点に立った。
そのジーコは南米最優秀選手を3度受賞しており、1981,82年には2年連続で選出された。言わずと知れたレジェンド中のレジェンドだが、日本人が思っている以上にブラジルや南米での評価は高い。
テレ・サンターナ監督が率いた1982年ワールドカップのブラジル代表は今なお伝説的に語り継がれており、「史上最高のチーム」に挙げる人も多いほどの魅力的なチームだった。
ジーコはそんな伝説的なチームの10番だった。
(ジーコ、ソクラテス、トニーニョ・セレーゾ、ファルカンの4人は“黄金のカルテット”と呼ばれた)
結果としてブラジル代表は、圧倒的な優勝候補に挙げられながら2次リーグでイタリア代表に敗れ優勝できなかった。
サッカー関係者は「結果が全て」だと口を揃えていう。どんな魅力的なチームも優勝できなければその記憶は薄れ、いずれ忘れ去れるからだ。
しかしながら、この1982年のブラジル代表チームは今日に至るまで敬愛されている。頂点に立てなかったチームでここまで語り継がれているのは、ヨハン・クライフを擁した1974年大会のオランダ代表くらいであろうか。
それはやはりこの時のブラジル代表に「結果」という最強のパワーをも超越した魅力と情熱があったからであろう。
【写真】この11人でも優勝候補だ!ブラジル代表の「W杯落選ベストイレブン
そしてそんなチームの10番を背負ったのがジーコであり、だからこそ今なお彼の偉大さは語り継がれているのだ。
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