岸田首相に「領収書不備」の報道…「政治とカネ」問題の解決策をZ世代が議論

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。11月23日(水・祝)放送の「ニュースFLASH」のコーナーでは、岸田首相の領収書不備報道を鑑み、“変わらない政治資金問題”と“その解決策”について議論しました。

◆岸田首相までも公職選挙法違反か

2021年10月の衆議院選挙で、岸田首相が広島県選挙管理委員会に提出した「選挙運動費用収支報告書」に添付した領収書94枚が宛名もただし書きもなかったとし、公職選挙法に違反している疑いがあると文春オンラインが報じました。

また、寺田稔氏の更迭により就任したばかりの松本剛明総務大臣も、資金管理団体が会場の収容人数を超えるパーティー券を販売し、政治資金規正法違反の疑いがあると報じられ、松本大臣は「法にのっとって適切に処理している」と弁明しています。

◆岸田首相の領収書不備報道…Z世代の反応は?

インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、今回のようなことがあるたびに永田町の常識と世間の常識がずれていることを実感すると言い、「まともにやっている人がもう少しちゃんと褒められるようになれば」と望みつつ、「(政治家の方々も)みんな問題を抱えているんだなと思った」と率直な感想を吐露。

政治プラットフォーム「PoliPoli」代表の伊藤和真さんは、「今回の領収書不備の問題は、基本的に事務的なミスだと思う」と所感を述べ、「岸田首相には説明責任があるべきで、ここはしっかりしないと国民としては納得できないというのがまずはあるかなと思う」と指摘。

また、この放送の前日、伊藤さんは官邸に入っている議員と話す機会があり、その際に、結構焦っていて大変そうな印象を受けたと振り返ります。そして、伊藤さんは「政局・政権が動くと、止まる政策、動かない政策が出てくる」と危惧します。

では、どうすれば政治資金の問題は解決するのか。キャスターの堀潤が「デジタル化がコミュニケーションリスクを下げていくひとつの手段」と話すと、伊藤さんは「報告書は、そのまま公開されているだけなので、それをわかりやすくし、可視化するといいかもしれない」と意見する一方で「秘書の方は相当大変になる」とも。

続いて、能條さんが「共通のシステムを作って、(領収書を)スキャンするだけでデータ化されるようにできていれば、(宛名がないなどの不備があると)気づくはず」と提案すれば、堀も「永田町なりの決済システムを」と熱望。

これに伊藤さんは「やってほしいなとは思いつつ、日本の秘書は海外に比べると少なかったり、給与が少なかったりする。当然こうした説明責任は重要だが、逆に政策に取られる時間が少なくなるのは問題で、非常に難しいところ」と頭を悩ませます。

アフリカの紛争問題を研究する東大院生の阿部将貴さんは、民間企業でも領収書は経理が確認しているとし、「チェックする機構があればいいんじゃないか」と主張。ただ、それを身内がやるとなると、馴れ合いになってしまうなどの問題点があるため、「議員報酬の数%をみんなで出し合い、みんなで(第三者による)チェックする機構を作り、みんなで使えるようにすれば、コストも下がり、不備も少なくなっていいのではないか」と提案します。

デジタル化、独自の決済システムに続き、堀からは「永田町ブロックチェーン」、「永田町コイン」、「永田町決済特区」という案も。「それぐらい大胆なことを、未来の投資として実験的にやっていただきたい」と期待すれば、能條さんからは「クレジットカードひとつあれば、そこで使ったものが全部公開されるのではないか」との声が。

番組Twitterには「政治資金は電子マネーで完全トレース」、「マイナシステムを使う」、「首相の白紙領収書も文春が絶妙なタイミングで放り込んできただけで、過去から日常的に行われてきているんだろう」といったさまざまな意見が。

また、Twitterスペースでは、政治資金収支報告書を東京都の選挙管理委員会に提出しているという政治関係者から「毎年提出しているが領収書を白紙で出したことは一度もないし、そもそもなぜ選挙管理委員会はチェックしなかったのか。現職に甘いのかなと思ってしまう。実際、現職、国会議員のチェックは甘いんじゃないかと思うときはある」との厳しい意見とともに、「政治団体を作るときには会計責任者を必ず1人立てるが、会計管理担当者に民間の方を入れることが大事」と言及。

そうした意見を踏まえ、能條さんは「資料作りなど、選挙ひとつ行うにも膨大なコストがかかり、政治陣営も選挙が終わっても長らく大変。誰もハッピーにならないので、もう少し簡易化したり、デジタルを使ったりすべき」と構造改革を呼びかけると、堀は、あらゆる意味で全体の福祉向上につながる可能性があるとし「永田町DX(デジタルトランスフォーメーション)」を推奨。

伊藤さんは、政治家サイドから政策面の問題に言及。「政策を作る上で、作っても実効性がなかったり、対象者が使わなければ意味がない。当然政治家なのでしっかりしてくれという意見もわかるが、その人たちが使わないような政策を起こしても意味がないので、まずはちゃんとヒアリングし、実効性がある政策、そして見える化する必要があると思う」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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