行動データをアプリから得て活用へ、NECと泉佐野市が実証実施

大阪府泉佐野市(以下、泉佐野市)と日本電気株式会社(以下、NEC)は、観光関連情報などを発信する観光周遊アプリを活用し、アプリから得られる行動データ等を生かす実証実験を12月1日から開始する。11月25日付のプレスリリースで明かした。

大阪府、府内43市町村、企業、大学、シビックテックなどは、“大阪モデル”のスマートシティ実現のため、「大阪スマートシティパートナーズフォーラム」を設立した。NECは、同フォーラムにおいて、「インバウンド・観光の再生」プロジェクトのコーディネーターを務めている。

さらに、NECと泉佐野市は、同活動の一環として、「持続可能な新しい観光地域づくりに関する連携協定」を2021年7月に締結した。そして、観光サービス向上と地域経済活性化に向けて、ICTを活用した新しい観光サービスの提供とデータ利活用による観光活性化施策の検証を行っている。

両者は、2021年度に、シェアサイクルとその位置情報を基に、おすすめ観光情報をスマートフォンに配信する実証実験を実施した。この実証では、利用者の周遊履歴やユーザー属性ごとの反応などを見える化している。

今回の実証実験では、「観光周遊アプリの活用」、「シェアサイクルの運営」、「メディアの活用」の3つの施策を通じて行動データ等を取得し、施策の検証を行う。「観光周遊アプリの活用」では、観光周遊アプリを介してゲーム感覚で観光スポットなどを巡るミッションを開催し、利用者の周遊を促す。

くわえて、同アプリでは、泉佐野市の観光スポット情報やクーポン、シェアサイクルのポート情報なども取得でき、市内を周遊するためのサポートも行う。同アプリは、「NEC応援経済圏構築プラットフォーム」をベースにしているため、スマホに新たにインストールすることなく利用可能だ。

また、「シェアサイクルの運営」では、2021年7月から泉佐野市内にて実証展開中のPiPPAシェアサイクルを継続設置する。観光周遊アプリを通してシェアサイクルの周知・利用を促し、観光スポットを周遊する際の移動の利便性向上を図る。「メディアの活用」では、おでかけ情報サービス「aumo(アウモ)」と連携し、泉佐野市の観光情報を特集ページで発信する。泉佐野市内の観光スポットのさらなる認知向上を図り、利用者の周遊を促進する。

なお、同実証は、2022年12月1日~2023年1月31日に実施する。泉佐野市内の在住者、および観光等を目的とした来訪者を対象に行う予定だ。両者は、今回の取り組みを通して、最新のICTやデータを活用した実証実験を進め、泉佐野市の地域観光の活性化を推進していくと述べている。

PiPPAシェアサイクル
駐輪ポートのイメージ

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