エンゼルス・大谷翔平が2年連続でエドガー・マルティネス賞を受賞

日本時間11月29日、最も活躍した指名打者を表彰するエドガー・マルティネス賞の受賞者が発表され、大谷翔平(エンゼルス)が2年連続で受賞した。この賞はアメリカン・リーグで指名打者制が導入された1973年に設立され、「史上最高の指名打者」と言われたマルティネスの功績を称えて2004年に改称。2年連続受賞は2003~07年に5年連続で受賞したデービッド・オルティス以来の快挙である。受賞者は各球団の番記者やブロードキャスターの投票により、指名打者として100打席以上出場した選手のなかから選ばれる。

今季の大谷は157試合に出場して打率.273、34本塁打、95打点、OPS.875を記録。指名打者として153試合にスタメン出場し、残りの4試合は代打での出場だった。スタメン153試合のうち28試合は先発投手を兼任する「リアル二刀流」での出場。近年のメジャーリーグでは指名打者を1人の選手で固定するチームが激減しており、今季指名打者として600打席以上の選手は大谷だけ、500打席以上は大谷を含めて3人だけ、400打席以上は大谷を含めて7人だけだった。

ア・リーグのシルバースラッガー賞の指名打者部門はヨーダン・アルバレス(アストロズ)が選ばれたが、アルバレスは今季左翼手としての出場も多く(56試合)、指名打者としての出場は77試合だけだった。そのため、シーズントータルでは打率.306、37本塁打、97打点、OPS1.019と打撃成績の各部門で大谷を上回る数字を残しているものの、指名打者としての出場に限れば、打率.299、19本塁打、52打点、OPS1.003に過ぎない。大谷の受賞は指名打者として積み上げた打撃成績が評価された結果だと思われる。

マルティネスやオルティスが活躍した時代とは違い、指名打者専任の選手が激減している近年のメジャーリーグの流れを考えると、エドガー・マルティネス賞の存在意義や評価方法を見直す時期に来ているのかもしれない。

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