ハマスタ元年からクリーニング一筋 選手支えた稲葉さん退職 日本一返り咲きを夢見て

ファン感謝イベント終了後に選手らと記念撮影する稲葉さん(中央)=横浜市中区(球団提供)

 横浜スタジアム元年の1978年から44年間にわたり、球場のランドリー担当を務めた稲葉記子さんが今季限りで退職した。26日にハマスタで開かれたファン感謝イベント終了後に選手やチーム関係者からねぎらいを受けた。

 稲葉さんとハマスタをつなげたのは球団のレジェンド松原誠氏との縁。近所に住んでいたことから、「歯医者に選手たちが来ていて、そこで松原さんに紹介され、ランドリーの仕事ができるからやってくださいと言われた」と振り返る。

 球場内の一室には洗濯機4台と大型乾燥機が2台。毎日のように選手、スタッフのソックスやアンダーシャツなどを洗い、手際よくたたんで各自のスチール棚に収納していく。

 球場の歴史と共に歩んだ稲葉さんが真っ先に思い浮かべるのは、「優勝したときが一番良かった」という1998年の日本一だ。「山下(大輔)さん、権藤(博)さんと一緒に球場を出たのが思い出に残っている」と笑みがこぼれる。

 「最後は皆さんに優勝してほしかった。来年からはテレビで見ます」。夢の続きを楽しみにしている。

© 株式会社神奈川新聞社