勇壮に黒丸踊 世代超え作り上げた舞奉納 大村・法養祭

円形になり踊りを披露する子どもたち=大村市、法養堂前

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録勧告された「風流(ふりゅう)踊」を構成する「黒丸踊」が28日、大村市黒丸町の法養堂前で奉納され、大薩摩黒丸踊保存会(前川與会長)が勇壮な踊りを披露した。
 戦国時代、大村領主・大村純伊が領地を回復した際、領民が祝いのため踊ったと伝わる。浪人の法養という人物が広めたとされ、命日(28日)の「法養祭」に合わせて奉納されている。
 新型コロナ禍のため、法養祭での披露は3年ぶり。梅の造花が飾り付けられた直径約5メートル、重さ約60キロの大花輪を背負った出演者が、勇壮なかけ声と共に太鼓を打ち鳴らした。武士に扮(ふん)した子どもたちも前後に動いたり、円形に隊列を変えたりしながら優雅な所作。唄や三味線、かねの音が響く中、集まった見物客が熱心に見入っていた。
 大花輪を背負った同市の久保拓郎さん(34)は次男の友誠君(10)と共に出演。「大人と子どもが連携して踊りを作り上げていくチームワークが魅力。(無形文化遺産の登録で)世界に知らしめていきたい」と話した。


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