「県民の笑顔増やしたい」 和歌山県知事当選の岸本氏

知事選から一夜明け、笑顔を見せる岸本周平氏(28日、和歌山市で)

 27日投開票の和歌山県知事選で当選し、16年ぶりの新知事への就任が決まった岸本周平氏(66)が28日、一夜明けて県政に対する思いなどを語った。チームで県づくりを進めたいとした上で「チーム和歌山の目的は、県民一人一人の笑顔を増やすこと。私はそのためのゼネラルマネジャーに徹したい」と話した。

 「チーム和歌山」は選挙期間中に市町村長や県議らと議論して出来上がったコンセプトで「県政を進めていく土台」という。選手が市町村長、監督が県議会で、自身はチームが活動しやすいようマネジャーの役割を担いたいとした。

 岸本氏は衆院選(和歌山1区=和歌山市)では5選されているが、今回、選挙区が一気に広がった。「行く所行く所、たくさんの人が集まってくれたので、100%私の思いは伝えられたのではないか」と笑顔で話した。

 一方、地域によってさまざまな課題を感じたという。「県庁に入ったら、それを掘り下げて、市町村長と連携を取り、それに対処するアイデアは県職員に出してもらう。トータルの県の方向については、有識者を招き、知的なプラットフォームをつくって出していきたい」と話した。

 岸本氏以外の2候補が反対を掲げた「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)」誘致の考えについては「県はすでに応募しないと決めたので、終わった話だと考えている。だから争点にならなかった」とした一方「将来的に再公募があれば、その条件の下で、徹底的に県民の間で議論することはあってもいいのではないか」とした。

 その上で、知事選で24万以上の得票があったことについては「20万票を目標に戦ってきたが、想定外の票を頂いた。うれしさというより、責任の重さがずしんと肩に乗ってきたという感じだ」と気を引き締めた。

 ただ、新顔同士の戦いとしては投票率が伸びなかった。「どこに問題があるかはよく分からないが、県民が感心を持てなくなっていることについては、県政を担いながら、虚心坦懐(たんかい)、政治に関心を持っていただけるよう考えていきたい」と話した。

和歌山県知事選2022開票結果(開票率100%)

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