27日、現役Jリーガーを招いたサッカーイベント「上越スポーツフェスティバル2022」には大勢の小学生選手と保護者を含む見学者が訪れ、目標とするプロ選手との触れ合いに小学生の笑顔と歓声があふれた。
地元出身のJ1湘南の大野和成(33)、J1神戸の飯野七聖(26)をはじめ、J1鳥栖の森谷賢太郎(34)、J2大宮の田代真一(34)、J2横浜FCの武田英二郎(34)の5選手が集結。森谷、田代、武田3選手は元Jリーガーの上越高・藤川祐司監督(35)、富井英司コーチ(35)と横浜F・マリノスユース時代の先輩後輩に当たり、親交が続いている。
同校サッカー部の人工芝グラウンドでパス練習やミニゲームが行われ、エキシビションでは優勝チームがプロチームと対戦し、Jリーガーの技を肌で感じた。
質疑応答では子どもたちから次々と質問。「PKのこつは」との質問に、森谷選手は「練習を何回もすることで自信がつく。ゴールの四隅を狙って強く正確にパスをするイメージで」と答えた。
「Jリーガーですごいと思う選手は」との質問に、複数の選手が神戸の元スペイン代表、イニエスタ選手(38)と回答。大野選手は「ボールが取れないなという感覚になった」と表した。飯野選手はチームメートの大迫勇也選手(32)を挙げ、「ずっと日本代表でやって、選ばれなかった次の日の練習でも態度に出すことなく練習していた。毎日の練習、ケア、食事、何事にも意識して取り組んでいる。すごいと思う」と答えた。
イベントの合間には上越高ダンス部のパフォーマンスが披露され、ピッチサイドではキッチンカーもオープンした。
大野、飯野両選手のコメントは次の通り。
大野選手 こういう機会を頂けて僕自身もうれしく思っている。小学生から純粋にサッカーを楽しむ気持ちを感じ、懐かしい気持ちになる。僕がいた頃はこんなに素晴らしい環境はなかった。土のグラウンドでやっていた。うらやましいと思う。
サッカーを楽しむことが一番大事。楽しいという気持ちがあれば成長のスピードが上がる。思う存分楽しんでほしい。サッカーを通じて人間的にも成長してほしい。
今季はけがもあった。来シーズンはもっとチームの力になれるように頑張りたい。ベテランの年齢だが、やれる自信はある。ピッチで活躍することが一番と思っている。
(J1で新潟との対戦?)楽しみだし、新潟を離れて湘南に出て成長できた部分もある。まず僕自身が試合に出ないと。チーム内の競争に勝てるように頑張りたい。
飯野選手 上越出身のJリーガーとして地元でこういうイベントができることをうれしく思う。たくさんの方に協力いただき、実現できた。子どもたちに貴重な経験になってくれたらうれしい。夢を追うきっかけやスポーツって楽しいなと思ってほしい。
上越出身の僕らが地元に帰ってきて何かすることで上越のまちを盛り上げたい。みんなにいろいろな可能性がある。サッカーだけが全てではないが、自分の夢を持って挑戦してほしい。
(新潟との対戦は?)僕自身、新潟のジュニアユース、ユースで6年間サッカーをして、当時はアルビでプロになりたくて毎日練習していたが、残念ながらなれず、他のルートから今、神戸に在籍している。新潟は僕にとって特別なチーム、J1の舞台で試合ができ、一つ夢がかなう。強気なことを言うと、ぼこぼこにしてやろうと思っている(笑)。
◇参加Jリーガー上越市長と面談 市全体で応援を
参加したJリーガーはイベント終了後、上越高で中川市長や上越サッカー協会・榊原潔会長らと面談した。
榊原会長は「選手のお話を通じ、子どもたちをその気にさせることが大切と感じた。今後も連携してやっていきたい」とあいさつ。中川市長も「今後、市を挙げて応援することができるのではないかと思っている」とバックアップの考えを伝えた。
大野選手は「市全体で応援していただけたら上越のサッカーが盛り上がると身に染みて感じた」と要望し、中川市長の「スポーツ大使に」との提案に、「上杉謙信に負けないように頑張ります」と笑顔で応えていた。