北陸新幹線の敦賀開業「知らない」首都圏55%、関西は45% 福井行く機会増えると答えた人多い県は

北陸新幹線敦賀開業に関する意識調査

 日本政策投資銀行北陸支店は、2024年春の北陸新幹線敦賀開業に向け、首都圏、関西、北陸の在住者を対象に行った意識調査の結果をまとめた。福井県の敦賀開業について首都圏の55%が「知らない」と答え、認知度はまだ低い状況。福井のイメージに関しては全体として「自然」「食・酒」「温泉」が上位となったが、首都圏では「特にイメージはない」が31%あり、さらなる魅力発信が重要といえそうだ。

 調査は10月24~27日、インターネットで福井、石川、富山と、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)、関西(大阪、京都)に住む18歳以上の男女を対象に行い、それぞれ340人ずつ、計1700人から回答を得た。

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 敦賀開業の認知度について、北陸3県の在住者は「時期は知らないが開業することは知っている」を含め、85~96%が「知っている」と回答。一方、首都圏は55%、関西は45%が「知らない」とした。敦賀開業後に北陸新幹線に乗ってみたいか、との問いには、首都圏、関西でも7割強が「乗ってみたい」「どちらかというと乗ってみたい」と答え、関心は高い。

 敦賀開業で想定される生活の変化に関しては、「観光で行きやすくなる」との回答割合が多かった一方、ビジネス目的で訪問機会が増えるとした割合は少なかった。北陸3県の在住者は「敦賀での乗り換えに不便さを感じる」との回答も多かった。

 敦賀開業をきっかけに福井への往訪回数が増えるか、との問いには、全体で57%が「変わらない」と回答し、「増える」と「少し増える」は計33%。ただ、富山在住者は「増える」「少し増える」が39%と他エリアに比べて高く、富山に向けた発信は誘客効果がありそうだ。

 福井に対するイメージ(複数回答)では、北陸3県や関西の在住者は「自然」「食・酒」「温泉」を上位に挙げた。一方、首都圏は「食・酒」と「特にイメージはない」が31%で並び、「温泉」は16%にとどまった。福井への往訪目的(同)に関しては、全体で「食・酒」「観光地巡り」「温泉」が多く、首都圏は三つに次いで「歴史・史跡・寺社」を挙げた。

 福井―首都圏間の交通手段については、福井県在住者は現在、50%が東海道新幹線、21%が自家用車、14%が北陸新幹線を利用しているが、敦賀開業後の想定は北陸新幹線が最も多く51%となり、東海道新幹線は24%、自家用車は17%に減少。首都圏在住者は北陸新幹線が最多の46%、次いで自家用車17%、東海道新幹線15%の利用となっており、敦賀開業後は北陸新幹線が60%に上がり、自家用車が12%、東海道新幹線は10%に減る。

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