横断歩道で一時停止 ワースト返上 岡山、大幅改善20位49%

県庁通りの信号のない横断歩道を渡る歩行者。県内では車の一時停止率が4年ぶりに全国平均を上回った

 信号のない横断歩道で歩行者のために一時停止する車の割合が、岡山県内では49.0%となり、都道府県別で20位となったことが日本自動車連盟(JAF)の今年の全国調査で明らかになった。昨年の全国ワーストから大幅に改善。県警やJAFなど官民による啓発強化や、汚名返上に向けた県民意識の高揚が奏功したとみられる。

 調査は各都道府県2カ所ずつで8月に実施。JAF職員が横断歩道の手前に50回立ち、一時停止した車の割合を算出した。全国平均は39.8%で、岡山が上回るのは4年ぶり。岡山は昨年から38.7ポイント増え、伸び率は全国2位だった。最高は長野の82.9%、最低は沖縄の20.9%。広島17位(50.0%)、香川41位(26.0%)だった。

 岡山は調査結果の公表が始まった2018年以降、4年連続10%前後と低迷。20年(7.1%)はワースト3、21年(10.3%)はワーストに転落した。

 県警は昨年、県出身の人気お笑いコンビ「千鳥」を起用した一時停止の啓発動画を作り、違反者の取り締まりを強化。JAF岡山支部は運転講習会を通じて注意喚起に努めたほか、県内の自動車販売会社やパン工場も動画制作など啓発に協力したという。

 同支部は「昨年の調査結果が大々的に報道され『このままでは駄目だ』という県民意識の高まりも改善要因の一つだろう」とする。

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