「ネット販売実務科」新設 喜連川社会復帰促進センター ヤフーショッピング内にサイト開設

喜連川社会復帰促進センターでの新たな職業訓練について説明する斎藤法相=29日午前9時30分、法務省

 法務省は29日、ネットストアの開設や運営スキルについて学ぶ職業訓練「ネット販売実務科」を喜連川社会復帰促進センター(栃木県さくら市)に新設すると発表した。同科の設置は美祢(みね)社会復帰促進センター(山口県)に続き、全国で2施設目。受講する受刑者は「道の駅きつれがわ」で実際に扱っている同市特産品の販売サイトを開設する。受刑者の社会復帰や再犯防止だけでなく、特産品の「地産外商」を通して、地方創生への貢献も期待される。

 同省とさくら市、職業訓練業務を担う小学館集英社プロダクション、ネットショッピングを手がけるヤフーの4者が連携する。斎藤健(さいとうけん)法相は29日、閣議後の記者会見で「受刑者と地域に良い成果がもたらされることを期待している」と述べた。

 同省によると、訓練は希望した男子受刑者9人が受ける。同日から来年2月までの4カ月間で、ネット販売に関する専門知識や運用スキルを習得し、スムーズな社会・職場への適応や就労の継続につなげる。

 2018年にネット販売実務科を先行して導入した美祢社会復帰促進センターでも、近隣の道の駅で扱う特産品の販売サイトを開設している。地産外商に効果を上げており、訓練に携わった講師は「サイトも想定以上にいいものが出来上がった」などと手応えを感じているという。

 道の駅きつれがわの販売サイトは「Yahoo!ショッピング」内に開設し、アップルパイやジャム、グラスなどを取り扱う予定。さくら市は「入所者の社会復帰に向けて励みとなる取り組みだ」とした。

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