秋葉復興相の影武者、4号まで存在? 立民・渡辺氏「疑惑のコンビニ」と皮肉 〝親孝行〟強調して反論も

 岸田文雄首相が防衛関連費の2%増を関係閣僚に指示したことを受け、29日の衆院予算委員会では、野党から妥当性をただす質問が相次いだ。秋葉賢也復興相の街頭活動を巡る「影武者」疑惑では「4号まで存在した」と追及されるなど、政府与党はこの日も防戦一方の様相だった。

 「信頼失墜疑惑のコンビニエンスストア。次から次へ新しいものが出て実に品ぞろえが良い」。元毎日新聞記者で横浜支局にも勤務した立憲民主党の渡辺創氏は秋葉復興相を皮肉った。昨秋の総選挙で初当選し予算委は初登板。「防衛費を巡り新たな国民負担も懸念される中で、閣僚はもとより国会議員の姿勢が問われている」との前置きで33分の質問時間のうち20分以上を費やして復興相をただした。

 「秋葉けんや」のたすきを本人以外がかけて街頭に立つ「影武者」について、週刊誌報道に関係者への自身の取材を加え「復興大臣が県議時代から続いており、弟、次男ら4号までいたと聞く」と指摘。「初めて聞いた事実」とした復興相に「対象者に電話して午後の審議の中で回答せよ」と迫った。すると復興相は一転、「そのような事実はなかった」と確認済みの姿勢を取って否定。「変わり身の早さ」(野党議員)に委員会室では失笑が漏れた。

 「自分にも高校と中学の子どもがいるが、こんな手伝いは絶対にさせない」とした渡辺氏に、復興相は「次男は有休を3日取り駆け付けてくれた。たすきにも自分で『次男』と書き足した」と“親孝行”を強調して反論した。渡辺氏は「情報公開と愚直な説明」を政治家やリーダーの条件にうたった岸田首相の著書を引用。「今のやりとりで説明を尽くしたと言えるのか。疑念が深まるばかりではないか」と問うたが、首相は「疑念が晴れないと指摘されるのなら説明の努力を続けてほしい」などと第三者視点の従来見解を繰り返した。

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