「火災感知器が作動しました」「火災が発生しました」の“男性の声”と“女性の声”には全国共通のルールが…理由を理解して確実に避難を【わたしの防災】

空気が乾燥するこれからの季節に注意したい火災。商業施設などで火災が起きたときに流れる「女性の声」と「男性の声」。この2つの声の使い分けに明確な決まりがあるのをご存じでしたか。

静岡市の中心街に続々と到着する消防車。10月6日、呉服町名店街が主催した防災訓練です。百貨店では、地震による火災を想定しました。万が一、外出先の建物で火災に遭遇したら。大切なことを消防士に聞きました。

<藤枝消防署 杉山琢磨消防司令補>

「多くの人が出入りする施設で火事が起きたとき、大切なことは、その施設で働く職員の指示を落ち着いて聞くことです。建物の構造について詳しいのがその場所で働く方々です。より安全な避難経路などを聞くことが大切です」

<従業員役>

「お客様、火災が発生しました。まだこの階に煙はきておりません。落ち着いて行動してください」

「廊下を出ていただいて東側の階段から避難をお願いします」

商業施設をはじめ、多く人が出入りする建物では、消防法で訓練が義務付けられています。火災が起きたとき、従業員などは通報や初期消火とともに、中の人を建物の外へ安全に誘導します。その指示をよく聞くことで、より安全な避難につながります。

次は、自動火災報知設備と連動した非常時の放送です。

<非常用放送設備(女性の声)>

「(警報音)ただいま火災感知器が作動しました。係員が確認しておりますので次の放送にご注意ください」

この音声警報には、消防庁が決めた約束事があります。

<藤枝消防署 平出ゆかり消防司令補>

「非常用放送設備は、伝える内容によって女性の声と男性の声とわかれています。火災報知器(感知器)の作動を知らせる声は女性の声、火災と断定された場合は男性の声で案内します」

<非常用放送設備(男性の声)>

「火事です、火事です、火災が発生しました。落ち着いて避難してください」

感知器が作動した原因が火災だと分かった場合、建物の中の人を確実に避難させなければなりません。まずは、女性の声で避難の準備をしてもらいます。その後、強いトーンの男性の声に切り替えることで、緊急の度合いが高まったことを明確に伝えます。このルールは、全国共通です。

<藤枝消防署 平出ゆかり消防司令補>

「男性の声で案内があった場合はほぼ確実に火災が発生していると思ってください。速やかに避難行動をとるようにしてください」

突然の火災から身を守るためには、日頃の心構えも大切です。11月28日、静岡県藤枝市のこども園で行われた消防訓練です。

<職員>

「靴は履かないよ、そのまま行くよ」

園児たちは、職員のいうことをよく聞いて避難していました。

<藤枝消防署消防士 山梨尚哉さん>

「地域や職場で消防訓練が開催されたときは、できる限り参加していただきたい。日頃から定期的に消防訓練を行うことで、実際に火災などの災害が発生したとき、体が反応して動くようになりますので」

どうすれば安全に避難できるのか。火災が増える季節を前に、しっかりイメージしておくことが大切です。

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