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メキシコ南部の貧しい地域で地元住民が立ち上げたチョコレート生産団体を支援しようと、輸入販売を手がける「ciclo(シクロ)」代表の大尾那奈子さん(40)=岡山市中区=が、カカオ豆の焙煎(ばいせん)機や粉砕機の購入費をクラウドファンディング(CF)で募っている。12月15日まで。
チョコ生産団体は2013年、メキシコ・オアハカ州の農家や職人ら約30家族が連携し、自立した生活を送れるようにと発足した。原料のカカオ豆をはじめ、蒸留酒のメスカル、バニラ、トウガラシといった地域の特産品を使い、昔ながらの製法で多彩な味を作り出している。
ただ行政の援助に頼らず自己資金と民間からの寄付のみで工房を開設したため、粉砕機はトウモロコシ用を流用するなど製造設備が不十分なのが現状。手作業で行うカカオ豆の焙煎は重労働な上に時間もかかり、チョコの生産量が限られるのが課題という。
大尾さんは04年、米国留学を機に同州へ滞在し、貧しいながらも陽気に生活する現地の人々に魅せられた。帰国後、就職や結婚、出産を経て「大好きなメキシコの人たちと仕事をしたい」という思いが募り、知り合いだった団体メンバーへ連絡。21年から個人でチョコの輸入販売を始めた。
今回の資金調達に乗り出したのは、より多くの人にチョコを届けながら団体の活動を発信、応援するのが目的だ。カカオ豆の焙煎機と専用の粉砕機の導入で品質と生産効率を高め、より口溶けの良いタイプのチョコも製造できるようにする。
CFは山陽新聞社や中国銀行などが運営する「晴れ!フレ!岡山」を活用。当初目標の80万円を達成し、輸送費などを含めた導入費156万円を次の目標に掲げた。返礼品は団体のチョコなどを用意する。
大尾さんは「カカオ豆の栽培法やチョコの作り方など、廃れつつある地域の伝統文化の継承にも結びつく活動。ぜひ一緒に応援してほしい」と話す。
詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/ciclo)。
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