12月2日開催『渡辺宙明 追悼コンサート』リハーサルレポート! 串田アキラ、中川翔子インタビュー!

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今年6月に96歳で永眠した作曲家・渡辺宙明。「マジンガーZ」「秘密戦隊ゴレンジャー」「宇宙刑事ギャバン」など多くのテーマ曲を手掛け、ジャズやロックを取り入れた音楽と哀愁漂う旋律とパンチのあるリズムで“宙明節”“宙明サウンド”と呼ばれるスタイルを確立。そんな渡辺宙明が残した数々の名曲で綴る『渡辺宙明追悼コンサート』が12月2日(金)に東京・NHKホールで開催される。 指揮・音楽監督を、渡辺宙明の長男であり作曲家として50周年を迎えた渡辺俊幸が担当し、「宇宙刑事ギャバン」などを歌った串田アキラ、「秘密戦隊ゴレンジャー」などを歌ったささきいさお、「野球狂の詩」などの堀江美都子、「マジンガーZ」などを歌った水木一郎、そしてアニソンをこよなく愛し、歌手としても活躍する中川翔子が出演する。 本番まで数日と迫っている中、11月29日に都内でリハーサルが行なわれた。オーケストラ・トリプティークとコンサートマスターの工藤春彦、エリック・ミヤシロらゲストミュージシャンがステージに集結し、指揮・渡辺俊幸を中心に音を出しながら細かな調整が行われていく。そのリハーサルに、串田アキラ、中川翔子も参加。

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串田は「宇宙刑事ギャバン」「超惑星戦斗母艦ダイレオン」などを、アクションを交え、本番さながらの力強い歌声を会場に響かせる。渡辺俊幸と話し合って調整をしつつ、本番のために精度を上げることを怠らない。その歌声にオーケストラの演奏もより力強さを増したように感じた。

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そして中川翔子。「よろしくお願いします」と指揮の渡辺俊幸、演奏するオーケストラのメンバーに丁寧に頭を下げ、演奏が始まると、伸びやかな歌声で会場の空気と雰囲気を変えていく。指揮者がオーケストラのメンバーと演奏に関する細かな調整をしている間も、中川は歌唱楽曲を聴き返し、自分の中でイメージを固める作業を行っていた。リスペクトする渡辺宙明の追悼コンサートということで、リハーサルから集中力を高めており、気合いが伝わってきた。 リハの合間に、串田アキラ、中川翔子の二人に『渡辺宙明追悼コンサート』への想いと意気込みを語ってもらった。

串田アキラ

──本番が近づいてきましたが、今の心境は?

「すごく緊張しています。こんな大きなオーケストラと一緒に歌うのは何年ぶりって感じですからね。“ガッチガチやぞ”って感じです(笑)」

──串田さんは渡辺宙明さんとの付き合いも長いですし、追悼コンサートであり、集大成的なコンサートへの参加は感慨深いものがあると思いますが。

「はい。僕は先生に41年お世話になってきました。相当な数の曲を書いてもらいましたし、プライベートでも、僕がバンドをやっている頃には『特別に作ってあげる』って言って、曲を作ってもらったこともありました。本当に感謝しかないです。なので、コンサートという形で先生を追悼できるのが本当に嬉しいです」

──いろんな思い出もありますよね。

「ソロコンサートをやる時、先生はよく観に来てくださっていて、ステージが終わると楽屋口でニコニコしながら出迎えてくれるんです。来てもらえるだけでも大感動なんですけど、『今日、私の曲少なかったね』とかチョコッと言ったりするんです(笑)。『いやいや、半分以上、先生の曲でしたよ!』って返すんですけど、そういうジョークで和ませてくれたりするのも先生らしいところだったなって思います」

──最後に12月2日のコンサートを楽しみにしてる方に、メッセージをお願いします。

「僕はヒーローの歌を歌っていますけど、そこにはヒーローの秘めた優しさが込められています。それを大切にして歌い続けてきたので、今回のコンサートでもそういう気持ちで歌って、先生に恩返しをしたいと思っています。ぜひご覧いただいて、楽しんでもらえればと思います」

中川翔子

──本番が近づいてきています。今回のコンサートに臨む気持ちを聞かせてください。

「超スーパーレジェンドたちの歌声の中に、宙明先生の大ファンの私まで参加させていただけるなんて本当に夢じゃないのかな? って何度も確認しました。でも、宙明先生が生前に『しょこたんにも歌ってほしい』って何回もおっしゃってくださってたということを聞いて、涙が出ました。昔から宙明先生の楽曲を聴いていたのでもうお会いできないというのも信じられないんですけど、この宇宙に轟く、永遠に刻まれるコンサートに参加できることが心から嬉しいです」

──「アニソンアカデミー」という番組が大きな接点になったと思いますが。

「はい。私は幼少期に『電子戦隊デンジマン』のオープニングの、恐ろしく未来を感じさせるゾクゾクするするサウンドに触れてから、ずっと宙明先生のファンでした。そんな一ファンの私が、番組の中で、たっぷりじっくり音楽の話を聞かせていただいたりして、たくさん勉強させてもらいました。宙明先生は記憶力がすごくて、『ギャバンは木曜日に録ったんだよね』ってレコーディングした曜日まで覚えてらして、『生涯現役でバリバリ仕事したいから、いつでもオファーください』とおっしゃってました。カッコ良すぎます! 『アニソンアカデミー』では主題歌を作ってくださって、私とあべあきらさんが作詞を担当させてもらったんですけど、『歌詞はまだですか?』と催促が来るぐらいにアグレッシブでした(笑)。人生と音楽を常に楽しまれていた先生の姿が、残してくださった楽曲に全て宿っているので、これからもずっとずっと宙明先生が大好きです!」

──追悼コンサート本番では、中川さんは歌唱だけでなく、トークパートでも多く出演されるということで、ステージと客席を繋ぐ役割も担っていると思いますが、意気込みを聞かせてください。

「はい。本当に、“永遠に宇宙史に残る特別な日”になることは間違いないので、観に来られるお客様に、そして宙明先生に必ず届く時間になると信じて、1秒1秒を噛み締めてステージに立たせていただきたいと思っています。コンサート中のトークの中で『そうだったのか!』という発見があったりすると思いますので、私もファンの一人なので、観に来られるお客様と一緒に最初から最後まで楽しみたいと思っています」

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