静岡県裾野市の私立保育園で複数の保育士が園児に対して、虐待行為を繰り返していた問題。裾野市は11月30日午後、会見を開き、事実を確認でき次第、刑事告発する方針を明らかにしました。
<さくら保育園 櫻井利彦園長>
「深くお詫び申しあげます」
29日夜に開かれた裾野市の私立「さくら保育園」の保護者説明会は虐待行為に対する謝罪で始まりました。2時間以上に及んだ非公開の説明会では、想像を絶する虐待の内容が明らかにされました。
<さくら保育園 櫻井利彦園長>
「園児の足を掴み宙づりにした。B保育士。ファイルで園児の頭を叩いた」
ほかにも、
▼園児の前で刃物を取り出し脅す
▼感染症の疑いのある園児のおしりを他の園児に触らせる
▼夏に空調のない部屋に数分間閉じ込める
―など複数の虐待行為があったことが説明されました。
<1歳児クラスの保護者?
「宙づりにするとかご臨終とか。自分の子どもがそんなことされてたらと思ったら、どう思います?自分の子どもがそうされてたとしたら」
2022年6月から8月にかけて、虐待行為をしたのは保育士3人で、すでに1人は退職、残り2人も退職する予定です。しかし、説明会では懲戒免職にしなかった処分の甘さや当事者の保育士が説明会に出席しないことへの不満の声があがりました。
<保護者>
「いますぐ連れてきてよ。感情こらえるので必死なの。あんたたちぶん殴りたい気持ちなの、いま」
説明会では、どの園児が虐待を受けていたのか園側が、いまだ把握できていないことが明らかになりました。
<さくら保育園 櫻井利彦・園長>
「とんでもない行為だと思います。どれ一つとっても許される行為ではない。保護者の気持ちはよく分かります。許せないし、行為をしたものに対して厳しい処分をしたつもり」
<1歳児クラスの保護者>
「正直、納得しないですね。そのあとに質疑応答があったんですけど、全部の答えが曖昧だったので、こちらとしてもなんでこの場を設けたんだろうと」
<1歳児クラスの保護者>
「ご飯食べる時が明らかに変わったんですね。明らかに話を聞くと、それが原因で精神的になっているのかなという考えもある」
30日午後、裾野市が会見を開きました。
<村田悠裾野市長>
「これは虐待であると私は認識しています 裾野の宝である子どもたちを守れなかったことを、市長として本当に苦しく思っている」
裾野市側は、園が一連の行為を口外しないようすべての職員に誓約書の提出を求め、組織的に隠ぺいしようとしていたことを明らかにしました。市は今後、静岡県と共同して特別指導監査を実施し、事実を確認したうえで刑事告発する方針です。