「イセ食品」グループの富士たまごが会社更生、商取引債権は弁済へ=関連10社も事業再生

※画像は実際の企業と関係はありません

 富士たまご(株)(富士宮市根原字宝山47-6、設立2016(平成28)年6月、資本金300万円、福澤淳一社長)は11月30日、東京地裁へ会社更生法の適用を申請し同日、開始決定を受けた。また、関連7社は同日、同地裁へ民事再生法の適用を申請し同日、開始決定を受けた。管財人には髙井章光弁護士(髙井総合法律事務所、港区西新橋1-15-5、管財人室03-6758-6936)ほか1名が選任された。
 負債は現在調査中。
 ※TSR企業コード:018287611、法人番号:5080101019209

 富士たまごは、イセ食品(株)(TSR企業コード:311024971、法人番号:8030001061642、千代田区)を中心とするグループの1社で鶏卵の生産を手掛けていた。鶏舎が完成した2020年から稼働を開始し、数十億円の年間売上高をあげていた。しかし、グループの中心で過大な金融債務を抱えていたイセ食品が飼料価格の高騰や「新型コロナウイルス」感染拡大に伴う外食産業の不振などで業績が悪化し、3月11日に債権者から会社更生法を申し立てられ同日、東京地裁より保全命令を受けた。11月25日、イセ食品は(株)SMBCキャピタル・パートナーズ(TSR企業コード:133740790、千代田区)とグループ13社を支援するスポンサー契約を締結。当社ほか7社は、法的手続きでの再建を目指すこととなった。
 会社側によると、富士たまごと関連7社への商取引債権は従前の取引条件を継続することを前提に全額弁済する方針。

 富士たまごと同時に民事再生法の適用を申請した関連7社は以下の通り。今後、簡易再生への移行を予定している。
・(株)新ひたちファーム(TSR企業コード:022055614、法人番号:8050001041527、茨城県東茨城郡城里町下青山1312、設立2016(平成28)年8月、資本金300万円、青山真一郎社長)
・千葉孵化場(株)(TSR企業コード:322550416、法人番号:2040001065012、千葉県東金市小野4-1、設立2011(平成23)年11月、資本金300万円、小出公彦社長)
・(有)はやま農場(TSR企業コード:017799988、法人番号:5380002005814、福島県田村市船引町堀越字柴平69-5、設立1999(平成11)年4月、資本金300万円、井上徳久社長)
・イセファーム東北(株)(TSR企業コード:140053930、法人番号:8370201002412、宮城県加美郡色麻町黒沢字切付7-10、設立1983(昭和58)年1月、資本金1000万円、福澤淳一社長)
・(株)かすみがうら農場(TSR企業コード:023759798、法人番号:7050001042344、茨城県かすみがうら市新治1786-1、設立2017(平成29)年2月、資本金300万円、笹目宣興社長)
・(有)つくばファーム(TSR企業コード:280387482、法人番号:7050002014656、茨城県石岡市三村2459-3、設立2000(平成12)年9月、資本金300万円、原田睦彦社長)
・(有)森屋農場(TSR企業コード:310038111、法人番号:5030002088324、茨城県石岡市三村2459-3、設立1966(昭和41)年4月、資本金1000万円、福澤淳一社長)

 また、イセファーム(株)(TSR企業コード:294153462、法人番号:5050001011375、茨城県)、(株)エッグドリーム八千代(TSR企業コード:282292900、法人番号:1050001036582、茨城県)、(有)美咲ファーム(TSR企業コード:710318197、法人番号:1260002029812、岡山県)は、債権者が少数であることなどから私的整理での再生を目指す。

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