大地震を想定して、船にけが人を運び込み、海の上で治療を行う訓練が11月29日、静岡県の清水港で行われました。東海大学の船を使った訓練で、民間船としては日本で初めての取り組みです。
今回の訓練では、地震や津波で港が壊れ、海には浮遊物があり、大型の船を岸につけられないことを想定しました。まずは、小型の船で患者を運び入れます。
<竹川知佳記者>
「いま、陸でトリアージが行われたけが人が小型船で向かってきています」
重症度に応じて優先順位を決める「トリアージ」が行われ、すぐに医療が必要な状態で自力で歩ける16人が船で治療を受けました。頭部のけがや腕の骨折、呼吸困難など様々な症状に対応します。
<訓練の参加者>
「普通の病院とは違うけれども、被災の時には役に立つんじゃないかなと思いました」
大地震が起きると地域の病院はひっ迫し、けが人などをすべて受け入れるのは難しくなります。取り残された人を船に受け入れ、治療をしながら、被災地の外へ運ぶことを考えています。船は、一度に多く人を運べるため、沿岸部での救助活動に有効だといいます。
<土谷飛鳥医師>
「船内で元々やろうと思っていた医療計画以上のこと、担架であったりとか車いすであったりとか、思っていた以上のことができたというのがすごい大きな収穫だと思います」
<東海大学 山田吉彦静岡キャンパス長>
「津波の際も、あるいは地震の際も、道路が寸断されたような場合には、沿岸部のことを考えますと、船からの救助というのが1番有効だと考えます」
船を使った今回の訓練のように、災害に備えてさまざまな救助方法を考えておく必要があります。