「取水抑制しやすくなった」JR東海“田代ダム案”のハードル下がった?冬場の大井川の流量毎秒0.43トンにー東電や静岡県などによる水利権協議会

大井川の田代ダムの水利権について話し合う協議会が11月30日、7年ぶりに開かれました。大井川流域の静岡市、島田市、川根本町の市長・町長や静岡県の幹部、東京電力などが出席しました。

7年前の協議会では、東京電力の田代川第2発電所にある2台の発電機について、2台とも運転を継続しないと配管が凍結し、発電停止となる恐れがあるとして、大井川の流量が少ない冬場も田代ダムから毎秒1.62トンを取水することで合意。ただ、発電機1台での運転が本当に不可能なのかどうかを検証するよう、求められていました。

そして30日、東京電力は検証の結果、「冬場に1台を停止しても凍結には至らず、発電停止となる可能性は低い」と発表しました。これにより、最低限必要な取水量が発電機1台分減ることになり、今後は冬場でも、田代ダム周辺の大井川の流量を毎秒0.43トン以上維持することで合意しました。

田代ダムをめぐっては、JR東海がダムの取水量を抑制して、リニア工事による県外流出分と相殺する、いわゆる「田代ダム案」を提案しています。この案は、冬場の渇水時が課題とされてきましたが、東京電力の担当者は「今回の合意により、冬場でも取水抑制しやすくはなった」と話していて、実現に向けたハードルのひとつが下がったといえます。

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