【FIFAワールドカップカタール2022】運命のスペイン戦!“主体的に戦う”姿勢で決勝トーナメント進出へ

「FIFAワールドカップカタール2022」グループリーグはいよいよ最終第3戦に突入し、A組はオランダとセネガル、B組はイングランドとアメリカが決勝トーナメント進出を決めた。フランス、ブラジル、ポルトガルのように第2戦消化時点で進出を決めたチームもあったが、日本が属するグループEは、4チームすべてが進出の可能性を残して第3戦を迎える。対戦カードは「日本×スペイン」「コスタリカ×ドイツ」。日本時間12月1日深夜(2日早朝)4:00に同時キックオフされる両試合が終了した後、成績上位2チームがトーナメントに進み、残る2チームが大会を去ることになる。

日本は第2戦のコスタリカ戦を0-1で落とした。初戦で格上のドイツ戦に勝ち、その勢いに乗って連勝が期待された試合で痛い黒星を喫した。FIFAランキング24位の日本が11位のドイツを破り、31位のコスタリカに敗れる。相手に26本のシュートを打たれながら12本で逆転勝ちし、16本放ちながら4本の相手に逃げ切られる。サッカーという競技の面白さと怖さを味わった2試合だった。2試合を終えて勝ち点3、得失点差0のグループ2位。悪くない数字ではあるが、第3戦でFIFAランキング7位のスペインから勝ち点を獲得しないとグループリーグ突破の可能性はない。状況は厳しい。

スペインは第1戦でコスタリカを7-0で粉砕し、第2戦でドイツと引き分けて勝ち点4。日本と引き分けても突破はできるが、勝てば無条件でグループ1位が決まるため、ボールを保持して攻める姿勢は崩さないだろう。日本は守備の意識と強度を高く保ち続ける必要がある。それだけに、MF・遠藤航(シュツットガルト/ドイツ)がコスタリカ戦で右膝を負傷し、スペイン戦欠場濃厚となったのが非常に痛い。1対1に無類の強さを誇る遠藤を欠くとなると、中盤の攻防はより劣勢を強いられる。

とはいえ、高い技術を持つスペインの選手たちも、90分間ボールを保持できるわけではない。ドイツ戦でも、ゴール前のパス回しを集団で狙われてボールを失い、ピンチを迎える場面があった。ディフェンスラインの押し上げによるスペースの限定、プレスをかけるタイミングと複数の選手の連動。それらが適切であれば、スペインからもボールは奪えるし、そこから攻撃につなげることもできる。プレスのスイッチを入れるタイミングをチーム全員が共有し続け、相手に自由なプレーさせず焦らせること。それが活路を開く鍵になる。

サイドの攻防も試合の流れを左右する。特に日本から見て右サイドは、途中出場したコスタリカ戦でも果敢な突破でチャンスを作り出したMF・伊東純也(スタッド・ランス/フランス)に期待がかかる。対面に立つDFのジョルディ・アルバ(バルセロナ/スペイン)のオーバーラップを制限するためにも、周囲の選手と連携して主導権を握りたい。

ドイツ戦の後半のような展開が理想であり、それを実現する力が日本にはあるが、90分続けるのは難しい。相手ペースの時間帯をどうしのぐかがポイントになる。森保一監督は「主体的に戦う」「劣勢になってもその中で何かできるか自分たちで選択し、決断して戦う」と語ったことがある。可能性がある限り、自分たちで道を選び、切り開いてほしい。決戦の会場は、ドイツ戦と同じハリファ国際スタジアム。再び歓喜の瞬間が訪れることを期待しながら、試合を見守りたい。

文/佐藤新

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