【鳥取県移住インタビュー】鳥取での暮らし「アウトドアを通して楽しい人生をクリエイティブ!」元保育士のアウトドアガイド(鳥取マガジン)

鳥取県移住者インタビュー。アウトドアツアーガイドの井上達也さんにお話を伺いました。

鳥取はクオリティオブライフが高すぎる。」そう語るのは、2022年5月に大山町に移住してきた井上達也さんです。

1980年東京生まれ東京育ちの井上さん。2002年から15年間保育士として働いてきた子育てのプロフェッショナルです。

そんな井上さんが何故鳥取へ移住してアウトドアツアーガイドへ転身したのか?

移住者だからこそ見える鳥取県の魅力を語っていただきました。

移住を検討するきっかけ

「僕が地方移住を検討したきっかけは2011年の東日本大震災。震災をきっかけに『幸せに生きていくってなんだろう?』って見つめ直しました。

死ぬ瞬間に『やっぱりあれやっておけばよかった』って思いたくなくて。自分の未来を真剣にデザインしたら『東京にいない方が自分にとって幸せかな。』って思ったんです。」

ーーそうだったんですね。その地方移住で何故鳥取だったんですか?

「まず最初に興味を持った点は、鳥取県が『森のようちえん』が盛んだったことですね。保育士だった時は自然保育や里山保育をやってみたいと思ってたので。」

※森のようちえん=自然体験活動を基軸にした子育て。自然体験活動の総称。

ーー東京へは帰りたくなったりしませんか?

「まったくならない!」

ーーえ?!そうなんですか?

「東京は受け身の生活スタイルだと僕は思います。『お金を払えばできる、もしくはしてもらう』事ばかり。むしろ生きていくのに必要なものが揃ってるのは鳥取の方!よく『鳥取は何もない』っていうけど、それは鳥取の良さがまだ見えてない人だと思います。もしないものがあるなら、自分で作っていけばいい。鳥取はクリエイトできる場所だと思います。」

ーーなるほど。確かにそうかも。

「それに鳥取はクオリティオブライフが高すぎる!東京では手に入らないものばかりが手に入る!」

ーーそれはつまり、自然ですか?

「そう。海と山が近いのが魅力です。人間の体の7割は水でしょう。綺麗な水、綺麗な空気を吸って生きていくと、すごく気持ちがいいですよね。そしてその綺麗な水で育った野菜は美味しいし、その水が海に流れでて豊かな漁場を育む。その流れがこの20km圏内で見られるって、すごいですよ、本当に。まさにリトルジャパン!」

保育士を辞め、アウトドア専門学校の後、移住へ

話は戻り、2017年に保育士を辞め、新潟にあるアウトドアの専門学校へ通った井上さん。専門学校在学中に東京で行われた移住相談会を機に鳥取に興味を持ちます。

その後2年かけて東部・中部・西部に短期滞在等をしながら土地勘や人脈を広げます。専門学校卒業後、岡山県内の地域おこし協力隊を2年経験し、大山町に移住しました。

ーー鳥取では出会いがありましたか?

「はい、ありました。倉吉市在住の福井恒美さんという方なんですけど、自分の仕事以外にも地域のための仕事をしたり、移住者のネットワークを持っていて人繋ぎをしていたんですよね。その姿を見て、今までの生活とは違う『地方での生き方、働き方』があることを知りました。

この出会いをきっかけに『自分の強みを活かして地域のためにできることがあるのかな?』と考えるようになりました。」

移住後SFIDA-DAISEN A.C(スフィーダ 大山 アスレチッククラブ)を立ち上げる

大山町へ移住し、本格的にアウトドアツアーガイドとして活動を始めた井上さん。

ーーアウトドアツアーというのは主に、登山などですか?

「いえ、アウトドアを仕事にしようと思った時に、登山だけでなく、総合型のアクティビティをやろうと思いました。旅をしながら、登山やカヤックを始めるのって敷居が高いのかなって思ったんです。」

ーーそうですね。アウトドアってやった事ないとものすごくハードル高く感じます。道具がいるのかな?とか、体力大丈夫かな?とか。興味はあるけど踏み込めない感じがします。

「やった事ないことを始めるのって大変ですよね。誰でも0を1にするのが大変だと思います。そこをサポートしたくて始めました。

アウトドアの入り口作りをしたいんです。それで人生の中で楽しい割合を増やせるお手伝いができたらと思うんです。もちろん子どもも参加できますよ!」

ーー井上さんは保育士さんだから安心して子どもも連れて行けますね。

アウトドアは生きる力を身につけられますよ。被災地や災害地などでもキャンプ技術があれば乗り越えて行けます。」

SFIDA-DAISEN A.C(スフィーダ 大山 アスレチッククラブ)の活動

ーースフィーダでの主な活動を具体的に教えていただいていいですか?

「はい。登山、キャンプ、シーカヤック、SUP、スノーシュー、などですね。あとはオーダーしていただいたりもできます。

それから10月には親子での参加ワーケーションもありました。親は仕事を思う存分してもらって、子どもたちは体験活動をするんです。1日目は映像作り、2日目はシーカヤックをして過ごしました。これは都市圏の方が対象でしたけどね。

12月にはモルックの体験会もしますよ。子どもから高齢の方まで楽しめます。」

ーー幅広い活動ですね。登山なんかは最初にガイドさんがいると安心かも。登山のコースはあるんですか?

「そうですね。登山が初めての方は、最初はどれくらい体力があるのも見たいので蒜山で1番登りやすい山を一緒に登ります。

登山口が700メートルで山頂が1000メートルなので1時間ほどで登れますよ。子どもは5歳からOKです。山頂ではこんな景色が見れたりします。」

ーーすごく綺麗ですね!朝日ですか?

「そうです。運が良ければ、雲海も見れますよ。このプランは朝5時に『風の家』という道の駅に集合です。真っ暗なので、頭にヘッドライトをつけて登り始めます。だから綺麗な星も見ることができます。」

ーー星も朝日も見れてすごく良い登山プランですね!

「普段見れないような景色が見れるのでとても面白いと思います。またゆっくり歩いて登っていくので体力に自信がない方でも大丈夫だと思います。」

ーーちなみに冬はどんな活動をされるのですか?登山だと雪が凄そうなので難しいですよね。

「冬はスノーシューをやります。親子で参加されててとても楽しそうでした。」

今後の計画【親子別々キャンプ】

ーー今後やりたいと思ってる計画などはありますか?

「いつか、親子別々キャンプをやりたいと思っています。

これは保育士時代にたくさんの親御さん達を見て思いました。『お父さん・お母さんではなく、一人の男性・女性に戻れる時間をあげたい』って。保護者の方は宿に泊まってもらって、子どもは私が見ます。

子育てって大変ですよね。子育て、家事、自分の仕事、ご飯作り、お金にしたらいくらでしょう?!お金になってないお金をたくさん稼いでるのは世の中の保護者の方だと私は感じています。

鳥取県は子育て王国と言ってますが、もっともっと保護者と保育士に優しく、手厚くなってほしいと思っています。」

ーー親子別々キャンプ、ぜひ実現してください!!

「ありがとうございます。実現のためには保育のスタッフを集めなきゃ(笑)」

鳥取県へ移住してみて

ーー移住してみて半年ですが暮らしはいかがですか?

「毎日気分良く過ごしてますよ。『今日も大山が綺麗だなあ』って。あとは、鳥取県ってクリエイティブな人が来たら絶対に面白い土地だと思います。

先日、淀江の人と面白い話したんです。『この土地って歴史上にいつ出てきた?出てきてないよね。』って。遺跡もいっぱいあって、誰にも荒らされてない貴重な地域なんですよ。『もしや縄文時代からの営みがそのまま続いてるんじゃないか?!』って(笑)昔から変わってない。変える必要がなかったのかもしれませんね。」

ーー貴重なお話をありがとうございました。最後に、移住を考えてる人へのメッセージがありましたらお願いします。

「『とりあえず来てみたら?』とりあえず来てみたら良い場所だって感じると思います!」

今回井上さんへのインタビューを通して、鳥取の見方が変わりました。大都会で生まれ育ち、いろいろな場所を旅してきた井上さん。

インタビューでたくさんの言葉を通して、本当に素晴らしい場所なのだと気付かされる点がたくさんありました。

また、子育てに関する話や、旅の話、物事の考え方などとっても面白い方で、初めてでも緊張する事なくフレンドリーに話してくださいますよ!なんでも台湾を自転車で旅した経験もあるんだとか。

気になる方はぜひ一度会いに行ってみてくださいね!

井上さんの移住スケジュール

1980年生まれ

2002年 大学卒業後、保育士として就職

2004年 東京で鳥取県出身者とともにサッカーチーム「トリピーズ」を結成。鳥取との初めての接点。

2011年 東日本大震災を機に地方移住を考える。

2015年 初の鳥取旅行。鳥取を肌で感じる。

2017年 仕事を辞め、アウトドアの専門学校に入学。「森のようちえん」が盛んな鳥取に興味がありに移住相談会に参加

2018年 移住相談会から縁ができ、倉吉に数日滞在。
夏:岩美町で2週間のインターンシップ
秋:西部で短期滞在

2019年 東部で冬のアクティビティ体験
夏:東部で1ヶ月間アウトドアガイドとして勤務

2020年 専門学校卒業。岡山県内の地域おこし協力隊として移住。
アウトドア団体「SFIDA–DAISEN A.C.」設立。

2022年 大山町に移住。

SFIDA-DAISEN A.CのHPはこちら→ SFIDA-DAISEN A.C

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