福祉車両をカーシェア 高齢者に移動手段提供 栃木ダイハツ、宇都宮で開始

福祉車両の前でテープカットする(左から)黒本頭取、鈴木社長、野田社長=30日午前、宇都宮市

 栃木ダイハツ販売(宇都宮市上横田町、鈴木英樹(すずきひでき)社長)は1日、宇都宮市内の2カ所で福祉車両のカーシェア事業を開始する。会員登録すれば、2カ所に配備した福祉車両を24時間利用できる。車いすのまま乗り込めたり、リモコンで助手席の座席を動かしたりできる車両を配備し、高齢者らの移動手段を提供する。

 同社は、自治体などと連携して安全運転講習会を開くなどして、高齢者も車で自由に移動できる環境づくりを進めている。カーシェアはその一環。福祉車両のカーシェア事業は県内2例目という。

 トヨタ自動車のカーシェアリングサービスを導入した。会員登録後、スマートフォン向けの専用アプリで予約・精算の手続きをする。予約した人は直接駐車場へ行き、アプリを使って解錠すればすぐに利用できる。車は同じ場所に返却する。料金は15分182円。

 栃木銀行(黒本淳之介(くろもとじゅんのすけ)頭取)とドコモショップの運営などを手がけるハヤブサドットコム(宇都宮市上横田町、野田和郎(のだかずろう)社長)が趣旨に賛同。宇都宮市小幡2丁目のとちぎんTT証券本店営業部と、同市西川田町のドコモショップ宇都宮西川田店に、福祉車両を配備する専用スペースを設けた。

 事業開始を前に30日、栃木ダイハツ販売本社でセレモニーが行われた。鈴木社長は「地域貢献の一助となれば」と語った。

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