スズキ二輪は、2022年11月16日(水)に東京のベルサール六本木にて「スズキの新型アドレス125・アヴェニス125撮影会及び商品説明会」を行った。
「アドレス125(右)」、「アヴェニス125(左)」の開発陣。チーフエンジニアの森井秀史氏(中央左)、デザイングループの斉藤航平氏(中央右)、エンジン実験グループの杉芳典氏(右)、プラットフォーム設計グループの松下太亮氏(左)。## まずはスズキの新型アドレス125・アヴェニス125の動画をチェック!
新型125ccスクーター・アドレス125&アヴェニス125
125ccスクーターに力を入れているスズキは、これまでアドレス110、従来モデルのアドレス125シリーズ、スイッシュシリーズなどを投入してきたが、新型スクーターの「アドレス125」と「アヴェニス125」を発表。「アドレス125」が2022年10月18日、「アヴェニス125」が同年10月21より発売している。なおアドレス110、従来モデルのアドレス125、スイッシュは生産終了モデルとなっている。
2022年10月18日発売の「アドレス125」。カラーリングは「ダークグリーニッシュブルーメタリック」。
2022年10月21日発売の「アヴェニス125」。カラーリングは「マットフィブロイン グレーメタリック/ラッシュグリーンメタリック」。
メーカー希望小売価格は、「アドレス125」が273,900円(税込)で、「アヴェニス125」が284,900円。日本国内での年間目標販売台数は、それぞれ9500台と3000台としている。
共通プラットフォームを持つ兄弟車のアドレス125&アヴェニス125
「アドレス125」と「アヴェニス125」は、フロント12インチ、リヤ10インチのホイール&軸間距離1265㎜のコンパクトな車体で構成される共通プラットフォームを持っており、搭載するエンジンも兄弟モデルで共用している。
「アドレス125」と「アヴェニス125」は共通のプラットフォームを持つ兄弟車。写真は「アドレス125」の透視図。
エンジンは、従来モデルのアドレス125のSEP(スズキ・エコ・パフォーマンス)エンジンをベースに、平成32年国内排出ガス規制に適合させながら、高い燃費性能と優れた加速性能を追求している。
「アドレス125」と「アヴェニス125」が搭載する軽量でコンパクトな124cm3の空冷単気筒 SEPエンジン。
「アドレス125」と「アヴェニス125」が搭載するエンジンは、最高出力 6.4kW/6,750rpm、最大トルク 10.0N・m/5,500rpmとスペック上の性能は同じとのことだが、ECUのセッティングが異なっており、「アヴェニス125」の方が若干スタートダッシュで力強さを感じられるようなキャラクターになっているとのこと。ただ、関係者の話によれば「よーいどん!」でスタートしても目に見えて差がつくほどの違いではないという。
二人乗り時の快適性を重視した「アドレス125」
ソロはもちろん、二人乗り時の快適性を重視する新規軸を盛り込んだ「アドレス125」。
従来のアドレスシリーズというと、軽量コンパクトな通勤快速というイメージが強いが、新しい「アドレス125」を見ると、随分とコンセプトの方向性が変わったことがわかる。全体に丸みを帯びており、老若男女に広く受け入れられそうなオーソドックスなデザインを採用している。
丸みを帯びたデザインを新採用した「アドレス125」。
この丸みを帯びたデザインには実は秘密があり、なんと鉄材をフェンダーとレッグシールドの前面部分に採用することによって繊細な曲線を表現したのだという。
二人乗り時の快適性を重視し、広くフラットなシートと握りやすいグラブバーを装備。タンデマーの足の曲がりもきつくなさそう。
乗り味に関しては、従来から定評のある通勤通学で便利なストレスのない加速性能はそのままに、コンフォートな乗り味も追求。加えて大きな面積を確保したフロアボードに、フラットシートによるタンデム時の快適性能などを底上げ。通勤通学といった実用面だけでなく、たまの休日には「アドレス125」で気軽に出かけてみる……といった趣味の要素が増している。実際、ちょっと雰囲気のいいオープンカフェにだって気軽に乗り付けられそうだ。
「アドレス125」のカラーリングは4色
青「ダークグリーニッシュブルーメタリック」
赤「マットボルドーレッドメタリック」
黒「マットブラックメタリック No.2」
白「パール ミラージュホワイト」## 「アドレス125」の詳細チェック
フロントフェンダーとレッグシールド前面には鉄を採用。洗練された曲面のやわらかさと塗装のノリの良さは鉄材ならでは。
灯火類の光源はヘッドランプ、ポジションランプがLED。その他のストップ/テールランプ、ウインカーなどは電球を採用している。
フロアボードは広く窮屈感はない。幅422㎜、前後最短部で230㎜、前後最長部で470㎜のスペースを確保している。
前後のシートに段差のないフラットシートは、861㎜と長くとられ幅もワイド。二人乗りする際にも実に快適そうである。
容量21.8ℓのトランクスペースは、写真のジェットヘルメットが“なんとか”収まる。ヒンジ部にはヘルメットホルダーも2ヶ所ある。
指針式の速度計オーソドックスで見やすく、良燃費走行時にはバックライトが青色から緑色へと変化するエコドライブイルミネーションを採用。
給油時にシートを開ける必要のない車体後部の燃料タンクの容量は5ℓ。WMTCモード値燃費は53.8km/ℓで計算上の航続距離は269km。
500mlのペットボトルの収まるポケット1ヶ所に加え、5V2AのUSBソケット、フロントフック。シート側にはホルダーも装備。
可倒式でしっかりと踏ん張れる上にポジションも考慮した快適なタンデムステップを装備。快適性のためタンデマーの膝の曲がりも余裕を持たせた。## 「アドレス125」の足着き性
ライダー身長:172cm
シート高は770㎜と低めのなうえ、シートの前方がしっかりと絞られているため足が出しやすく、踵までべったりとつけられた。フロアボードはセンタートンネルのないフルフラット構造に加え、下部に燃料タンクがないおかげで低床で足も乗せやすい。ちょっとした荷物を乗せられるのはもちろんだが、服装を選ばず乗ることができるのが素晴らしい。
スポーティなイメージの「アヴェニス125」
「アドレス125」と同じプラットフォームでありながら、エッジの効いたデザインが与えられた「アヴェニス125」。通勤快速仕様としてのアドレス125シリーズが持っていたスポーティな雰囲気は、この「アヴェニス125」へと引き継がれ、より強調されたというわけだ。
驚いたのはデザインコンセプトに、オフロードバイクのモトクロッサーイメージを採用していること。メーター前のバイザーはモトクロッサーのゼッケン、フロントサイドにはシュラウドのイメージを取り入れて軽快感を演出している。
「アドレス125」に比べかなりスポーティな雰囲気がデザイン的に強められているが、実際、この2台には走行性能においても若干の仕様の違いがある。エンジンの機械的な構造は同じであるものの、ECUのセッティングが違い、「アヴェニス125」の方がより加速感重視となっている。またスポーティなキャラクターのためフロントフォークのセッティングを変更。「アドレス125」に比べて、バネレートをアップし減衰特性もよりスポーティに変更されているとのことだ。
「アヴェニス125」のカラーリングは3色
白「パールミラージュホワイト/マットフィブロイングレーメタリック」
グレー「マットフィブロイン グレーメタリック/ラッシュグリーンメタリック」
黒「グラススパークルブラック/マットブラックメタリック No.2」## 「アヴェニス125」の詳細チェック
直線的なデザインが特徴的。スズキお得意の縦目2灯ヘッドランプを採用。光源はヘッドランプ、ポジションランプ、ストップ&テールランプがLED。
軽快感を演出するためにモトクロッサーのゼッケンをイメージしたという、メーター前部のバイザーが斬新。ゼッケン貼っちゃう!?
フル液晶のデジタルメーターは、速度、燃料、時計、オド、トリップ、エコドライブに加え、「アドレス125」にはない平均燃費や電圧も表示。
フロアボードのサイズは、幅425㎜、前後最短部が206㎜、前後最長部で336㎜と、「アドレス125」に対し幅はワイドだがやや前後が短め。
トランクスペースの容量は21.5ℓと、「アドレス125」比で0.3ℓほど少なく内部の形状も若干幅がスリムになっているようだ。
ヒップホールドの良さそうな段付きシートを採用。表皮の切り返しやステッチ、オープンタイプのグラブバーがスポーティ。
燃料搭載位置は変わらないがポップアップタイプのキャップを採用。容量も5.2ℓを確保し、航続距離も282kmと「アドレス125」より長い。
「アドレス125」にはない簡易ブレーキロック機構を装備。駐輪時に常用できるものではないが、坂道での停車などで何かと便利だろう。
サイレンサー形状は両車共通でカバーのデザインが異なる。また両車ともリヤホイールはサイレンサーを外さずに脱着することができる。## 「アヴェニス125」の足着き性
ライダー身長:172cm
シート高780㎜で「アドレス125」よりも1cmほど高いのだが、シートの跨り部がより絞り込まれているので足着き性はいい。写真はでは若干踵が浮いてしまっているが、実際の足着き性の印象は「アドレス125」と変わらず。少し前に座れば両足とも踵までべったりとつけられる。
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