サツマイモ基腐病を確認 串本の畑、和歌山県が注意喚起

基腐病にかかり、つる側(左)が黒く変色したサツマイモの断面=和歌山県農作物病害虫防除所提供

 和歌山県農作物病害虫防除所(紀の川市)は、串本町のサツマイモ畑で、これまで県内では発生していなかった「サツマイモ基腐(もとぐされ)病」を確認したとして、注意喚起のため、病害虫発生予察特殊報を発表した。

 防除所によると、10月に同町のサツマイモ畑で、つるの地面に近い部分が黒色に変色したり、芋のつる側が腐敗したりした株が見つかった。農林水産省神戸植物防疫所に診断を依頼したところ、基腐病だと分かった。

 国内では、2018年に沖縄県で初確認され、現在は28都道府県で発生が確認されている。近隣では大阪府や兵庫県、徳島県で見つかっているという。

 発病すると、緑色の葉が赤や黄色に変色して生育不良になったり、つるが地面に接する部分から暗褐色や黒色に変色したりする。その後、つるや葉が枯れたり、芋に腐敗が広がったりする。

 防除所は、この病気の未発生の畑で生産された健全な種苗を使うことや、苗を適用のある農薬で消毒すること、発病した株は抜き取り適切に処分すること、排水不良な畑で発生しやすいため、排水対策を十分に行うことなどの対策を呼びかけている。

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