「桃太郎」が空港で手指消毒訴え 東岡山工高生製作 旅の安全安心に

東岡山工業高の生徒が製作した手指消毒を呼びかける木製装置

 いざ、コロナ退治へ―。桃太郎の一行が手指消毒を呼びかける木製の装置が岡山桃太郎空港(岡山市北区日応寺)にお目見えした。新型コロナウイルスの感染防止に役立ててもらおうと、東岡山工業高(同市中区土田)の生徒が製作。旅行、ビジネス客の安全安心に一役買っている。

 「手指消毒のご協力をお願いします」「素晴らしい空の旅を」…。装置(高さ約140センチ)に内蔵するセンサーが人の動きを感知すると、6種類の音声が流れる。同時に桃の形をしたパネルが割れ、イヌ、サル、キジと一緒に飛行機に乗った桃太郎が飛び出す仕組みだ。空港1階出入り口に消毒液と並べて設置してある。

 課題研究授業の一環で、電気科と設備システム科の3年生計10人が手がけた。通行量や湿度を測定してデータを蓄積する機能も備え、入場客の誘導や空調の制御に生かすことができる。県産ヒノキを材料に用い、ねじやくぎを使わないほぞ組みで仕上げたこだわりようだ。

 11月中旬、空港ビルを管理する岡山空港ターミナルに贈った。贈呈式に臨んだ電気科の坂本悠月さん(17)は「楽しい気持ちで旅行に向かうお手伝いになれば」と言い、ターミナルの水川宏一社長は「利用客の安心につながるよう有効に活用したい」と話した。

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