利用しないのは大損!つみたてNISAで得する投資法をお金のプロが伝授

つみたてNISAは投資の利益にかかる税金をゼロにできるお得な制度。しかも一度積立投資の設定をすれば、あとは自動的に投資を進められます。今回は、このつみたてNISAをさらにお得にするには?ということで、資産形成に役立つ「得する投資法」を紹介します。


つみたてNISAで得する投資法1:クレカ払いでポイントを貯める

つみたてNISAを利用する際にぜひ活用したいのが、つみたてNISAで購入する投資信託の代金をクレカ払いすること。本来、株式や投資信託の代金はクレカ払いできないのですが、積立投資であればクレカ投資が認められています。

つみたてNISAで積み立てる投資信託の代金をクレカ払いすると、決済金額に応じてポイントがもらえます。現金で投資したらもらえないポイントがもらえるのですから、その分お得になるというわけです。また、クレカ払いの代金は、後日銀行から引き落とされます。積立投資のために、わざわざ証券口座にお金を移動する手間も省けます。

もっとも、すべての金融機関でつみたてNISAの代金をクレカ払いできるわけではありません。ここでは、主な証券会社を3つ紹介します。

SBI証券…三井住友カードでクレカ積立

SBI証券では、三井住友カードを利用してつみたてNISAの代金をクレカ払いできます。クレカ払いすることで、購入額に応じてVポイントをもらうことができます。

Vポイントの還元率は、使用する三井住友カードの種類により異なります。三井住友カード(NL)をはじめとする一般カードの場合は0.5%、三井住友カードゴールド(NL)のようなゴールドカードなら1.0%、三井住友カードプラチナに代表されるプラチナカードならば2.0%となっています。一般カードは年会費無料ですが、ゴールドカード・プラチナカードは年会費がかかります。

Vポイントは、1ポイント=1円で買い物の際に使えるポイントです。三井住友カードはセブンイレブン・ローソン・ファミリーマートの大手コンビニ3社で使うと通常のポイント分(0.5%~1%)+2%、マクドナルド・すき家・ココス・セイコーマートなど対象店舗でタッチ決済で使うと通常のポイント分(0.5%~1%)+4.5%のポイント還元が得られるので、クレカ投資と一緒に使うとポイントが貯めやすいでしょう。

楽天証券…楽天カードを使った2つのクレカ積立

楽天証券では、楽天キャッシュ(電子マネー)と楽天カードクレジット決済の2つの方法でつみたてNISAの代金をクレカ払いできます。

楽天キャッシュは、楽天カードや楽天銀行、ラクマ(楽天のフリマサイト)の売上金などからチャージして使える電子マネーです。楽天キャッシュで投資信託を購入する際、楽天カードから楽天キャッシュにチャージすることでチャージ額の0.5%の楽天ポイントがもらえます。また、2022年中(2022年8月買付分~12月買付分)は投信積立金額を楽天キャッシュで決済することで、さらに0.5%の楽天ポイントがもらえます。つまり、楽天キャッシュを利用すれば2022年中は1%、2023年以降は0.5%の楽天ポイントがもらえます。

楽天カードクレジット決済での投信積立は、信託報酬のうち楽天証券が受け取る手数料(代行手数料)が年率0.4%(税込)未満の投資信託を購入すると積立金額の0.2%、年率0.4%(税込)以上の投資信託を購入すると積立金額の1%の楽天ポイントがもらえます。

つみたてNISAの投資信託で人気があるのは、信託報酬が0.1%~0.2%程度のインデックスファンドです。信託報酬の安い投資信託を購入するのであれば、楽天キャッシュを利用した方が楽天ポイントの面でお得です。

マネックス証券…マネックスカードでクレカ積立

マネックス証券では、マネックスカードを利用してつみたてNISAの代金をクレカ払いできます。クレカ払いすることで、購入額に応じてマネックスポイントをもらうことができます。マネックスポイントの還元率は1.1%。100円につき1ポイント+1000円につき1ポイントと、高い還元が得られます。マネックスカードの年会費は初年度無料、2年目以降年550円ですが、年間1回以上のマネックスカード利用で無料ですので、つみたてNISAのクレカ払いをしていれば問題ないでしょう。

マネックスポイントは、Amazonギフト券やdポイント・Tポイント、Pontaポイントといった共通ポイント、ANAやJALのマイルなどに交換可能。自分のよく使うサービスのポイント・マイルに交換することで、ポイント・マイルをよりお得に使いやすくなります。

3社の中でもっとも還元率が高い(年会費無料のクレジットカードを使った場合)のはマネックス証券です。一方で、SBI証券や楽天証券では、もらえるポイントを直接買い物で使うことができる点は便利です。楽天証券は、楽天キャッシュと楽天カードクレジット決済を併用すると最大で月10万円までキャッシュレスで投資ができます(SBI証券・マネックス証券は最大月5万円)。つみたてNISAの投資額の上限は毎月約3.3万円ですが、それを超えて投資をしたい場合に役立ちます。

つみたてNISAで得する投資法2:投資信託の保有額でポイントをもらう

証券会社によっては、投資信託の保有額に応じてポイントがもらえるところがあります。先に紹介した3社も、投資信託の保有額に応じたポイントがもらえます。

SBI証券…投信マイレージサービスで最大0.25%ポイント還元

SBI証券の「投信マイレージサービス」では、投資信託の月間の平均保有金額に応じてTポイント・Pontaポイント・dポイント、JALマイルのうち自分の選んだポイントが毎月もらえます。Tポイント・Pontaポイント・dポイントの還元率は最大年0.25%、JALマイルについては、最大年0.125%で、保有している投資信託により異なります。

楽天証券…一定の残高に到達すると楽天ポイントがもらえる

楽天証券では、マネーブリッジに申し込んだ上で「ハッピープログラム」にエントリーすると、楽天証券での取引に応じて楽天ポイントが受け取れます。このうち投資信託では、月末時点の残高がはじめて一定の金額に到達した場合に楽天ポイントがもらえます。たとえば、はじめて10万円に到達したら10ポイント、100万円に到達したら100ポイント、1000万円に到達したら500ポイント…などという具合です。

マネックス証券…投信保有ポイントが最大0.08%還元

マネックス証券では、対象の投資信託の月間の平均保有金額に応じてマネックスポイントがもらえます。ポイントの還元率は最大年0.08%、保有している投資信託により異なります。

SBI証券・マネックス証券の場合、積立投資を続ければ続けるほど、保有する投資信託の金額が増え、ポイントも増えていきます。楽天証券では、一定額に達したときにはポイントがもらえますが、その後はもらえなくなってしまうので、長く投資するほどもらえるポイントに差がつきます。

つみたてNISAで得する投資法3:つみたてNISAと一緒にサービスを使ってお得に

つみたてNISAの口座を開設するなら、つみたてNISA以外のサービスも活用しましょう。投資がより便利でお得になります。

SBI証券…口座連携や他の金融機関からの引っ越しにメリットあり

住信SBIネット銀行の預金口座とSBI証券の証券口座を連携させる「SBIハイブリット預金」を利用すると、住信SBIネット銀行の金利が年0.001%から年0.01%にアップします。SBIハイブリット預金では、投資の際にわざわざ銀行口座から証券口座に資金を移動することなく、銀行預金のお金を投資に回すことができます。また、指定の銀行口座から投資代金を自動引き落としして買付ができる「銀行引落サービス」も無料で利用できます。

また、他の金融機関に預けている投資信託をSBI証券に移す(移管する)「投資信託移管入庫サービス」を利用すると、出庫手数料が後日キャッシュバックされます。出庫手数料は証券会社により異なりますが、投資信託1銘柄あたり3000円前後することもあるので、金融機関をSBI証券にしたい方にはうれしい無料化です。

楽天証券…口座連携で金利アップ、無料の情報も嬉しい

楽天銀行の預金口座と楽天証券の証券口座を連携させる「マネーブリッジ」を利用すると、楽天銀行の金利が年0.02%から年0.1%にアップします(預金300万円超の部分は年0.04%)。マネーブリッジでも、投資の際に銀行預金のお金を直接投資に回せます。

また、楽天証券では、楽天証券に口座開設した人に対して「日経テレコン(楽天証券版)」を提供。本来有料の日本経済新聞を無料で読めるのはお得です。そのうえ、「おすすめマネー本」では楽天Koboで読める無料書籍・20%OFF書籍が紹介されています。ラインナップは月替わりです。本来有料の情報が無料で手に入るのはお得ですね。

マネックス証券…定期自動入金サービスが便利、米国株の積立購入も

マネックス証券では定期自動入金サービスを利用することで、指定した金融機関から毎月1回、指定金額を引き落としてマネックス証券の証券口座に入金できます。お金を移す手間が省けます。

また、マネックス証券では、マネックス証券で取扱いのある米国株・米国ETFを毎月の指定日に自動で買い付ける「米国株定期買付サービス」も便利。「配当金再投資サービス」と一緒に利用すれば、保有銘柄からの配当金で同じ銘柄を買い付け、自動で再投資できます。

期間限定のキャンペーンも活用

各証券会社では、期間限定のキャンペーンを実施していることがあります。口座開設で現金のキャッシュバックやポイント還元が得られたり、プレゼントがもらえたり、内容はさまざまですが、活用すればよりお得につみたてNISAを始められます。キャンペーンはあくまで一時的なものですが、もしどこでつみたてNISAを始めるか悩む…というのであれば、キャンペーン情報を参考にしても良いでしょう。

ただ、キャンペーンを待って、いつまでもつみたてNISAを始めないのは本末転倒。つみたてNISAは、長期・積立・分散投資の効果を生かしてお金を堅実に増やす方法ですから、早く始めて長く続けることが大切です。ぜひ早く口座開設して、投資をスタートさせましょう。

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