神奈川の大手私鉄4社 鉄道やホテル事業は回復 9月中間決算

県内大手私鉄4社(東急、小田急電鉄、京浜急行電鉄、相鉄ホールディングス〈HD〉)

 県内に路線がある大手私鉄4社(東急、小田急電鉄、京浜急行電鉄、相鉄ホールディングス〈HD〉)の2022年9月中間連結決算が出そろった。新型コロナウイルス感染症の影響を受けていた運輸・交通事業やホテル事業が回復。一方、感染「第7波」や、エネルギー価格の高騰を受け、23年3月期の連結業績予想を下方修正する動きも見られた。

 営業利益は、小田急が前年同期比416.7%増の145億1200万円、相鉄が350.0%増の45億2900万円と大幅に伸長。京急も営業損益は54億8千万円の黒字(前年同期は29億2500万円の赤字)と、営業黒字に転換した。

 東急の営業利益は、前年同期に大規模物件の販売があった不動産事業の反動などで12.5%減の218億2300万円だった。

 主力の運輸・交通事業は、4社とも前年同期の営業赤字から一転、営業黒字となった。鉄道の輸送人員は8.6~14.6%増。うち定期は4.8~11.4%増、定期外は15.7~22.3%増と、リモートワークの定着により、定期と定期外で戻りに差がある状態が続いている。

 旅行需要の回復も追い風となった。京急の羽田空港2駅の輸送人員は56.7%増と大幅に増加。各社が運営するホテルの稼働率は10~30ポイントほど上昇し、40~70%程度となった。

 京急のレジャー・サービス事業は、営業赤字を計上した前年同期から一転、9億1600万円の黒字に。東急、小田急、相鉄のホテル関連事業も、それぞれ赤字幅を縮小した。

 流通関連事業では、東急と小田急は、前年同期の緊急事態宣言中に百貨店の一部売り場を臨時休業した反動で増収増益に。一方、京急と相鉄は、コロナ禍で伸びたスーパーマーケットの内食需要の減退や、物価高に伴う買い控えが響き、減収減益となった。

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