沖縄都市モノレール(ゆいレール)は1日から、スマートフォンを活用した人工知能(AI)案内システムの実証実験を県庁前駅で始めた。来年1月31日まで。機械にスマートフォンをかざすか、画面に表示されたQRコードを読み取ると、端末上で駅周辺の観光スポットや飲食店などの情報や経路を案内する。スマートフォンを活用したAI案内システムは全国で初となる。
システムを開発したJR西日本テクシアによると、地方都市でのAI案内システムの導入が課題となる中で、新型コロナウイルスの流行後も国内外からの観光客が多いことから、沖縄での実証実験が決まった。
これまでのAI案内システムは操作に必要なマイクやタッチパネルの搭載によって、筐体(きょうたい)のコストが上昇することから、大都市圏での実証実験がほとんどだった。一方で今回の筐体は地方都市での利用をターゲットに、ほとんどの操作をスマートフォンで行い、筐体側の操作部をなくすことでコストの上昇を抑えた。
今後は利用実績に応じて、AI独自の学習機能によって回答精度が上がるほか、利用状況に応じて、案内できる施設数や他の公共交通機関を利用する案内の拡充なども検討している。沖縄都市モノレールの担当者は「幅広い皆さまに利用していただき、いろいろな質問に答えられるようになれば良い」と今後の利用に期待を込めた。
(武井悠)