文化庁長官表彰、沖縄から4人 伝統芸能や工芸に功績 14日に都内で表彰式

 文化庁は1日、文化活動で優れた功績のあった人に贈る2022年度の文化庁長官表彰に、県関係者4人を含む86人と6団体を選んだと発表した。県関係は国指定重要無形文化財「組踊」「琉球舞踊」保持者の喜舎場盛勝さん(90)=那覇市、国指定重要無形文化財「組踊」保持者の島袋光尋さん(80)=那覇市、染織製作技術者で宮古上布保持団体理事の下地達雄さん(78)=宮古島市、苧麻(ちょま)糸績み技術者で宮古苧麻績み保存会会員の比嘉トヨさん(93)=同。14日に東京都内で表彰式を開く。

 文化庁によると、喜舎場さんは組踊・琉球舞踊音楽太鼓演奏家として活動するとともに後進の育成にも努め、組踊と琉球舞踊の保存・伝承に寄与した。島袋さんも組踊立方として長年活動し、後進の育成に尽力した。

 下地さんは重要無形文化財「宮古上布」の製作に携わり、保存と伝承者養成に取り組んだ。比嘉さんは国選定保存技術「苧麻糸手績み」の保存と伝承に寄与し、文化財保護に貢献した。

 県外では歌手・俳優のジュディ・オングさん(72)、落語家の三遊亭好楽さん(76)、料理研究家の土井善晴さん(65)らも選ばれた。現代アートのマーケット拡大に取り組む石鍋博子さん(66)、フィギュア造形師のBOMEさん(61)、和食の魅力を世界に発信する「NOBU(ノブ)」オーナーシェフの松久信幸さん(73)らも表彰される。

 団体は、和紙の原料となるコウゾの栽培や加工に取り組む「上東を愛する会」(高知県)など。

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