那須と栃木の寄宿舎閉舎延期に 県教委、県議会代表質問で表明 「保護者の意見重く受け止める」

寄宿舎の閉舎延期を表明する阿久澤県教育長=2日午前、県議会本会議場

 栃木県の那須、栃木の県立特別支援学校の寄宿舎閉舎を巡って一部保護者から反対の声が上がっている問題で、阿久澤真理県教育長は2日の県議会代表質問で、計画していた本年度末での閉舎を延期する考えを表明した。「保護者の皆さまからさまざまな意見をいただいた。県教委として非常に重く受け止めている」と述べた。

 県教委は昨年11月、施設の老朽化や通学困難者の減少を理由に両校寄宿舎の閉舎を発表した。

 一方、那須校の閉舎に反対する保護者らは9月、計画停止を求める陳情を県議会に提出。陳情の取り扱いを審査する中で県議会文教警察常任委員会に計画の再考を促す声が高まり、福田富一知事が11月25日の定例記者会見で、県教委に「適切な対応」を講じるよう指示する考えを示していた。

 閉舎に反対する両校の保護者らは署名活動を展開し、11月には那須校の「存続を求める会」が1万9455人分の署名を知事と教育長に提出。栃木校の「存続を求め未来につなぐ会」も2万4958人分の署名を添えて県議会に寄宿舎存続を求める陳情書を提出していた。

 螺良昭人氏(とちぎ自民党議員会)が質問した。

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