「FB」から「ウェイブス」へ球団名変更 関西独立リーグ

新球団名の「和歌山ウェイブス」について説明する濱中治GM(1日、和歌山県田辺市東陽の闘雞神社で)

 野球・さわかみ関西独立リーグの球団で、和歌山県紀南地方を拠点とする「和歌山ファイティングバーズ(FB)」が1日、運営会社の変更に伴って、球団名を「和歌山Waves(ウェイブス)」に変更すると発表した。ゼネラルマネジャー(GM)で元プロ野球選手の濱中治さん(44)が「県民全体で応援してもらえるチームにしたい」と決意を語った。

 5月にGMに就任した田辺市出身の濱中さんが同日、田辺市東陽の闘雞神社で会見。球団のイメージを変えたいと思ったといい「和歌山から世界へ、夢へ、と挑戦する力で大きな波を起こしていくという意味で名付けた」と説明した。新球団のマークにはシャチとボールがデザインされている。

 球団を運営していた会社は今季で撤退。球団の取締役をしていた中田悦弘さん(57)が新会社「BenK(ベンケイ)」を設立し、球団を運営する。中田さんは「和歌山で生まれた球団の継続や、夢を追い続ける選手たちの活躍の場を維持して、和歌山に夢と元気を与えたい」と話した。

 選手は現在18人。川原昭二監督が留任する。トライアウトなどで選手を獲得して来季は25人程度でスタートし、リーグ戦の優勝を狙いながら日本野球機構(NPB)でプレーする選手を出したいという。

 さわかみ関西独立リーグは来季、淡路島(兵庫県)を拠点とした新球団が加わり、5チームでリーグ戦をする予定。

■イメージ刷新なるか

 和歌山FBが和歌山ウェイブスとなり、来季でリーグへの参戦は7年目を迎える。選手は農家や事業所で働きながら野球を続け、イベントに参加するなど地域に根差した活動を続けてきた。

 一方で、2019年2月に当時の球団代表が道交法違反の疑いで逮捕され、辞任する不祥事があった。有料の公式戦の入場者数は伸び悩み、運営の頼みとなるスポンサー集めも厳しい状況が続いているという。

 南部高校(みなべ町)を卒業後にプロ入りし、阪神タイガースなどで活躍した濱中さんが5月に「地元の球団を存続させたい」と、GMに就任した。濱中さんは1日の会見で「球団に悪いイメージを持たれている方が多かった。真摯(しんし)に野球に取り組んでいる今の選手たちのためにもイメージを変えたい」と、名称変更の理由を説明した。

 チーム名や運営会社は変わったが、残った選手18人が来季もこの地で野球を続けることを希望している。そのほとんどが県外出身者だ。

 選手が農業などに従事することで人手不足の解消につながる。応援できるチームがあれば地域は盛り上がる。心機一転、新しい波を起こしてほしい。

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