朝日放送と「めちゃイケ」元プロデューサー・明松功が“日本一面白いふるさと納税”を目指してタッグ

朝日放送グループホールディングスは、放送局として初めて運営を始めたふるさと納税サイト「ふるラボ」と、「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)などを手掛けた明松功氏が新たに立ち上げたオーダレスクリエーティブカンパニー「KAZA2NA」の、地域創生に向けたコラボレーションを発表。その経緯や、今後の展開などを紹介する合同記者会見がリモートで開催された。

今回のタッグについて、ABCテレビ営業局長・山本顕輝氏は「朝日放送グループは、ラジオとテレビを通じて、地域の皆さまの関係人口と交流人口増加に向けた取り組みを行ってきました。ふるさと納税を一つのきっかけとし、地域の宝である人、物、事にスポットライトを当てることで、関西に、そして日本全国に元気をお届けしたいと考えています。今回のコラボレーションも、エンタメで地域創生に取り組むにあたり、『KAZA2NA』さんのクリエーティブな力をお借りしたく、アドバイザー契約を結ばせていただきました」と語った。

また、今年4月に設立されたばかりの「KAZA2NA」だが、同社のCOO・中尾孝年氏は「人生後半を迎えるにあたって、もっと広く世の中の役に立ちたいなと強く思うようになり、広告を通じて培ってきた面白さ、アイデアで人の心を解きほぐしたり、人を動かす力を生み出すことを広告以外でも発揮していきたいなと思い、今日に至っています」と、今回のオファーを受けたの裏側を明かした。

放送局や会社間の垣根を超えるようなコラボとなる今回のタッグ。「KAZA2NA」のCEO・明松氏も「『KAZA2NA』という合同会社を作った時に、地域創生だったり、教育だったり、障害福祉だったり、ジャンルにとらわれずにできたらいいなという思いで会社を作ったので、このお話いただいた時に、われわれにとってのやりたいことで、非常にうれしい思いでした」と喜びを口にした。

さらに、「フジテレビでお笑い番組をずっと作ってきたんですけど、2011年の東日本大震災があった年に『めちゃイケ』で『27時間テレビ』をやったタイミングに、 宮城県から中継をするディレクターとして現地で実際に避難所の方々と触れ合ったことで、全国に笑いを届けるという気持ちよりも、目の前の人に笑ってもらいたいという思いで中継をしたことが、自分的には大きなきっかけになりました。マスメディアとしてやらないといけないことがある一方で、地域とがっつり向き合ってお仕事させていただいたことが、非常に僕の中でいい経験として残っていたから、今回も始めさせていただきました」と今回のコラボに懸ける思いを伝えた。

日本一面白いふるさと納税サイトを目指していくにあたり、「M-1グランプリ」や「お笑い新人グランプリ」などを運営してきたABCテレビは、漫才を使ったふるさと納税紹介動画を制作。納税者の中でも、ふるさと納税を使ったことがない人が6〜7割いる状況を受け、02年の「M-1グランプリ」王者・ まずだおかだがふるさと納税を面白く、分かりやすく紹介する動画となっている。

動画制作に関して、明松氏は「『ふるラボ』チームの皆さんから『漫才で説明動画を作りたい』とお聞きして、いいなと思ったんですけど、もうちょっと若手の方かと思ったら、ますだおかださんに決まりまして(笑)。すごい豪華でうれしいけど、“プレッシャーをかけながら面白く”というのが非常に難しい作業でした。お二人と意見交換、ブラッシュアップをさせていただいて出来上がったので感謝しています」と述べた。

さらに、今回新しい「ふるラボ」のCMも制作されたことを発表し、映像も特別公開。実はこのCMには、会見の進行を務めた上田剛彦アナウンサー、増田紗織アナウンサーが登場し、苦戦しながらも満足のいくCMが出来上がったことを笑顔で報告。なお、このCMは12月の中旬頃からTVerで配信、地上波でもABCテレビの番組で放送される予定だ。

今後について、営業局長・山本氏は「『ふるラボ』の面白い切り口で、ふるさと納税という制度及び町の魅力を知っていただくという取り組みについてお話をいたしましたが、 今後は自治体の皆さまと町の魅力を作っていくお手伝いもできればと考えております。今後もエンターテイメントの力を最大限に生かし、日本一面白いふるさと納税サイトを目指して、朝日放送テレビは精進してまいります」と宣言した。

この言葉を受け、明松氏は「ABCさんのふるさと納税をきっかけに、寄付金と返例品のやりとりで終わるのではなく、長期的にかつ持続可能な地域創生を目指すという理念に共感して、このような業務提携をさせていただけること、本当に心からうれしく思っております。日本一面白いふるさと納税サイトを目指して、一つでも多くの地域と接点を持たせていただけるように努力してまいります」と意欲をみなぎらせた。

同じく中尾氏も「漫才解説動画とかがすごい分かりやすいいい例かなと思っていて。漫才とふるさと納税という全く違うジャンルのものが、垣根を越えて融合したからこそ、分かりやすくて面白いものになったのかなと思います。今回われわれとABCさんも垣根を越えてるからこそ、新しいものが生まれると思うし、今までの古い世の中にあった垣根をどんどん飛び越えていって、日本が元気になって、地域が元気になって…ということを実現する。微力ながら、そのお手伝いがこれからもできれば、われわれとしてはすごく幸せかなと思います」と今後の意気込みを新たにした。

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