「1日ごとに考えが違うように見えた」一度は出馬意向も一転…田辺静岡市長不出馬の背景は【記者解説】

<水野涼子キャスター>

「今回、田辺信宏静岡市長は態度の表明までずいぶん悩んだようですね」

<和田啓記者>

「2022年7月には出馬の意向を固めていた田辺市長ですが、台風15号以降、被災地からの厳しい声を耳にしていました。出馬に前向きだった田辺市長ですが、市長に近い関係者は『1日ごとに出馬・不出馬の考えが違うように見えた』と語るほど心が揺れていたといいます。また、有力な経済界からの支援が厳しくなり、周囲の支援者からも『田辺さんが負けるのを見たくない』という声も上がっていたといいます」

<水野キャスター>

「ただ、自民党という大きな組織が田辺さんを支援すると決めていましたよね?」

<和田記者>

「ただ、自民党の山田誠県議がいち早く出馬を表明し、自民党の票が割れる懸念がありました。正直、自民党としては票が割れなければ、田辺市長も戦えると考えていたため、このあたりも向かい風となったことは否めません」

<水野キャスター>

「田辺市長が出ないとなると今後はどういう見通しですか?」

<和田記者>

「現状だと山田誠県議と難波喬司元副知事の一騎打ちの様相ですが、自民党がどのような動きをするのか注目されます。2人はもちろん自民党の支援が欲しいとしていて、すでに推薦願を出した山田県議は『自民党として長く活動してきた。推薦をいただけるならすごくうれしい』、難波元副知事は「まず私の考えを伝えて、推薦していただけるなら、自民党に限らず多くの会派にお願いしたい」。自民党としては、難波元副知事の政策との共通点を見極めたい考えもあり、自民党の今後の動きがまだまだ目が離せない状況といえそうです」

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