被害児童は日ごとに増え…10人程度に 4歳児にカッター突き付けも 土下座、誓約書で“口止め”の園長に「隠ぺい 信用ならない」と裾野市長=静岡・保育士虐待問題

静岡県裾野市で3人の保育士が園児に対して虐待行為を繰り返していた問題で、市に通報しようとした保育士に対し、園長が土下座して口止めしようとしたことが分かりました。4歳児にカッターナイフを突きつけていたことも明らかになり、被害園児の数は日を追うごとに増えています。

<保護者>

「まず(虐待をした保育士)3人を連れてきて謝らせるべきだと思う」

バインダーで頭をたたいて泣かせる。泣いている姿を写真で撮って笑う。宙づりにしたあと、真っ暗な倉庫や排せつ室に放置する。聞くだけでも、辛くなる虐待を言葉も満足に話せない1歳児に行っていたのは、静岡県裾野市の私立「さくら保育園」保育士3人です。

12月1日夜は、3日連続となる保護者への説明会が開かれ、また、新たな事実が明らかになりました。

<保護者説明会の音声>

保護者:「主任にも園長にも言ったけど、動かないから市に報告しますと言ったら、園長先生自ら土下座して拡散しないように頼んだって本当ですか」

虐待を市に通報しようとした保育士に対して、園長が土下座をして口止めしようとしたことが明らかになりました。

<保護者説明会の音声>

保護者:「土下座したかどうか答えてください」

櫻井園長:「しました」

保護者:「隠ぺいしてんじゃんかよ」

また、保育園側は10月下旬、園の全職員に「機密事項を第三者に漏洩しない」といった内容の誓約書を書かせていたことも明らかになっています。

<保護者説明会の音声>

保育園側:「決してそのような事実はございません。今回発覚した事実を調査していく中、園児の泣いている写真を撮影し、クラスのLINEで共有する事例が確認されました。本来であるならば、業務中に個人の携帯等の使用を禁止しており、個人情報の徹底を再度調査するために」

さくら保育園は「個人情報保護のためで、隠ぺいの為ではない」と弁明。しかし、裾野市長は。

<裾野市 村田悠市長>

「こんなものを公になる直前に書かせるなんていうのは、末期だったとしか思えない。隠ぺいのほか、何でもないです。こんなことをやらせるなんてこと自体、これをきのう保護者の前で否定されるなんて法人と理事長の側を疑います。信用ならない」

また、問題の保育士が4歳児にカッターナイフを突きつけていたことも明らかに。園は2日前に「4、5人」としていた被害園児の数を少なくとも10人程度に上ると訂正。その数は日を追うごとに増える一方で、どの子が被害にあったのかは伝えられていません。

<保護者説明会の音声>

保育園側:「(問題となっている保育士)3人ともこの場に出席することはちょっと難しい。お手紙もちゃんと書かないといけないといったが、この状況でまとまらないので、できませんという回答」

保護者:「お手紙とか生ぬるいこと言ってるんじゃないんですよ。直接連れてくるべきでしょうが」

園側は保育士3人が説明会に参加できない理由について、1人が新型コロナに感染しているためと弁明し、3人が揃うタイミングで説明の場を改めて設けるとしました。

<保護者>

「だったら、ほかの2人を連れてこいって話で、だからこっちとしては、本人たちたちがいないから納得いかないので」

「まず(虐待をした保育士)3人を連れてきて謝らせるべきだと思う」

また、虐待をした保育士が別の園で再就職し、事態が公になり、11月30日付で退職したことも明らかにされました。

<保護者説明会の音声>

保護者:「虐待保育士が他のところにいるんですよ。同じような仕事をしているんですよ。知っていました?あなたが野放ししたせいで。虐待されてるかもしれないですよね。そっちでも」

保育園側:「はい」

保護者:「はいじゃないんだよ」

さくら保育園は、来週には虐待を受けた園児を特定し、保護者に対して個別に説明を行うとしています。

© 静岡放送株式会社