スーパーGT表彰式『SUPER GT HEROES』が3年ぶりに開催。シーズンを戦い抜いた関係者が集結

 12月2日、東京都目黒区のウェスティンホテル東京で2022年のスーパーGTに参戦したチームやドライバー、関係者が一堂に会した年間表彰式『SUPER GT HEROES』が開催され、シーズンの戦いを振り返りながら、和やかな雰囲気のなかで表彰が行われた。

 SUPER GT HEROESは、スーパーGTのステータス向上および、「スーパーGTに関わるすべての人たちがヒーロー」というコンセプトのもと2015年から開催されてきた年間表彰式だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年と2021年は開催が見送られたが、2022年は3年ぶりに開催され、ふだんのレーシングスーツ姿からネクタイ姿に着替えたスーパーGT関係者たちが集った。

 会場前のロビーにはGT500チャンピオンマシンのカルソニック IMPUL Z、GT300チャンピオンのリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが展示され、モータースポーツファンおなじみのピエール北川さんと竹内志麻さんの進行のもと、GTアソシエイション坂東正明代表のあいさつから2022年のSUPER GT HEROESが開幕した。

 坂東代表は「スーパーGTはコロナ禍のなかで3シーズンを開催してきました。そのなかではファンのみなさまからの声援、そしてこの場に集まったチーム、自動車メーカー、タイヤメーカー、オフィシャル、サーキット、支援していただいたみなさまの努力のおかげで乗り越えることができました。本当にありがとうございました」とコロナ禍でのレース開催を支援した関係者に感謝の言葉を述べた。

 その後はスーパーGTのタイトルスポンサーを務める株式会社オートバックスセブン取締役会長の小林喜夫巳氏による乾杯の音頭が行われると、シーズンを支えたスポンサーや協賛企業の表彰、自由民主党モータースポーツ振興議員連盟会長の古屋圭司氏、幹事長代理事務総長の大岡敏孝氏によるあいさつも行われた。

 料理を楽しみながらの歓談を経てスタートした表彰式では、まずはFIA-F4から表彰。シリーズチャンピオンを獲得した小出俊、2位の三井優介、3位の荒川鱗、インディペンデントクラスで王者に輝いた鳥羽豊、チームランキング1位に輝いたホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の阿部正和監督が登壇した。

乾杯のあいさつを行うオートバックスセブン取締役会長の小林喜夫巳氏
2022年SUPER GT HEROES FIA-F4の表彰式

 これに続いてGT300クラス、GT500クラスのチームランキングトップ3、そして両クラスのドライバーズランキングトップ3表彰に移り、各種トロフィーに加え、静岡県産の伊勢エビも贈られた。また、各クラスのチャンピオンドライバーにはクストスのドライバーの名入りチャンピオンウォッチが進呈されている。

 GT300トップ3の表彰後には式典に参加したGT300全ドライバーが壇上に登壇。チャンピオンの藤波清斗が「今日は本当にありがとうございます。今シーズンは2度目のチャンピオンを獲ることができました。シーズンを通して苦しい戦いもありましたが、無事に最後はチャンピオンを獲ることができたので良かったです」と代表してあいさつを行った。

 続いてGT500クラスもチームとドライバーのトップ3表彰が同様に行われ、GT500ドライバーを代表して今季チャンピオンの平峰一貴がマイクを握った。

 平峰は「今日はこのような素晴らしいパーティを開いていただきありがとうございます。僕の人生はいろいろと大変な時期もありましたが、やっと今年チャンピオンを獲ることができました。ドライバーとしてもひとりの人間としてもまだまだなところはありますが、たくさんのライバルと戦ってどんとんと成長できるように頑張りたいと思います」とシーズンを振り返るとともに来季以降の意気込みも語っている。

 そしてパートナーのベルトラン・バゲットはまず日本語で「ミナサン、コンニチハ!」とあいさつし、「ニスモやTEAM IMPULのみんな、星野一義監督、ブリヂストン、相棒の一貴、坂東代表、そしてコースで一緒に戦ったライバルのみなさんに本当に大きな感謝を述べたい。また来年も会いましょう」と笑顔で続けた。

 最後には、ふたたび坂東代表がGTアソシエイションのスタッフたちとともに挨拶。最終戦後にモビリティリゾートもてぎで行われたカーボンニュートラル燃料のテストを振り返り、環境を配慮しながらも、改めて「2030年にも音のあるレース」をしていきたいという思いを語った。

「最終戦後のカーボンニュートラル燃料テストは無事に終了しましたが、まだまだ問題点はあると思います。しかし、我々は環境を配慮しながらもレース、モータースポーツを行っていかなければいけません」

「スーパーGTが目指していくもの、望むものは『音』です。音のあるレースがどうしてもしたいです。そのことを約束できるように皆で努力し、2030年にまだ音の出るレースを目指すためには環境を配慮していかなければいけません」

「この場にいるみなさんはモータースポーツを一番理解している人だと思います。今後のために自動車メーカー、タイヤメーカー、関係者のみなさんが協力し、いまできることを全力で取り組み、我々のもその面白さを伝えられるようにプロモーターとして努力して参ります」

「そして我々は来年もサーキットに来場してくださる人たちに『またサーキットにレースを見にいこう』と思っていただけるような環境を作っていきます。そのためにはこの場にいるみなさんの力が必要です。来年もご指導、ご鞭撻をどうぞよろしくお願いいたします」

 この坂東会長の言葉の後、会場には大きな拍手が沸き起こり、3年ぶりに開催された2022年のSUPER GT HEROESは閉幕した。

2022年SUPER GT HEROES GT500クラスの表彰式
GT500ドライバーズチャンピオントロフィーを受け取り笑顔をみせるベルトラン・バゲットと平峰一貴
オートバックス賞のトロフィーを受け取った高星明誠
GTA坂東正明代表から伊勢海老を贈られた牧野任祐と山本尚貴
TEAM IMPUL星野一義監督にトロフィーを授与した自由民主党モータースポーツ議員連盟幹事長の三原じゅん子氏と同事務局長の山本左近氏
GT500シリーズチャンピオンの賞金1000万円を贈られ喜ぶ星野一義監督
賞金ボードをGTA坂東代表が持ち帰ろうとして笑いが起こるシーンも
2022年のZFアワードに選ばれたTEAM IMPULを代表して登壇した高橋紳一郎工場長
2022年SUPER GT HEROES GT500のトロフィーを受け取ったNDDP RACINGの島田次郎監督、TEAM IMPULの星野一義監督、TEAM KUNIMITSUの山本尚貴
2022年SUPER GT HEROES GT300クラスの表彰式
オートバックス賞のトロフィーを受け取った藤波清斗
GTA坂東正明代表から伊勢海老を贈られた山内英輝と井口卓人
オートバックス賞のトロフィーを受け取った大草りき
GT300参戦ドライバーを代表してあいさつを行う藤波清斗
GT300表彰式でトロフィーを受け取ったGAINERの藤井一三監督、KONDO RACINGの阿立信昭工場長、R&D SPORTの小澤正弘総監督
2022年SUPER GT HEROES 全エントラントを代表してあいさつを行うaprの金曽裕人監督
スーパーGTシリーズスポンサーやパートナー、協賛企業の表彰式
壇上であいさつを行うGTアソシエイションの坂東正明代表
2022年SUPER GT HEROESの進行を努めたピエール北川さんと竹内志麻さん
2022年SUPER GT HEROESの様子
表彰式の最後にはGTアソシエイションを代表して坂東正明代表が感謝の言葉を述べた
会場の外に展示されたカルソニック IMPUL Zとリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R
会場の外に展示されたカルソニック IMPUL Zとリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R

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