<金口木舌>偏見か、実態か

 12月3日はカレンダーの日。来年のカレンダーが気になる時期になった。航空会社のカレンダーを愛用しているわが家。沖縄や国内外の風景が切り取られていて「これどこ」などと話が弾む

▼ポストに届いたカレンダーが話題になった。家事に役立つ情報満載の「奥さまカレンダー」。昔ながらの細長い形のあれだ。実家でも愛用していて、壁には“専用”のスペースがあるほどだ

▼気になるのは名称。私たち夫婦は共働きで、炊事、洗濯、子どもの送迎など何でも分担する。「奥さま」だけの家事はほぼない。長男は「ママのカレンダー?」と疑問符を浮かべる。名称には性差に基づく偏見を感じた

▼一方、2021年の社会生活基本調査の結果をみると、県内の全年代の1日当たりの家事関連時間は女性が男性の4倍。悲しいかな「奥さまカレンダー」が実態を表しているかもしれない

▼カレンダーそのものは沖縄の年中行事、潮の満ち引きなど、多くのウチナーンチュに役立つ。名実ともに「奥さまカレンダー」を脱却する日は今後来るだろうか。

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