年金だけでは足りない 50代60代からでも資産運用が有効な理由

年金だけでは足りない老後資金

厚生労働省の統計によると、老齢年金の平均年金月額は、令和2年度末の時点で国民年金受給者が5万6000円、厚生年金保険(第1号)受給者が14万6000円となっています。

現在の収入や毎月の生活費と比べてみたとき、この年金だけでゆとりのある老後を送ることができる方は少ないのではないでしょうか。特に、自営業など第1号被保険者の場合、会社からもらえる年金や退職金は期待できないため、自分でお金を準備しておかなければ経済的に苦しくなってしまう可能性があります。

一般的に、老後資金としては年金以外に2000万円の貯蓄が必要だといわれています。現在20~30代の方は、老後までまだ時間があるため、ゆっくりと2000万円を貯めていくことは可能でしょう。

一方、現在50~60代の方の場合、仕事のリタイアまであと10年ほどと時間がないため、老後までに2000万円以上貯めることができないかも、と焦っている方もいらっしゃるかもしれません。老後資金の準備として、まずは現在の貯蓄額を確認し、老後までに2000万円を貯められるのかどうか確認してみましょう。

50代60代からでも資産運用ができる

老後資金が足りないと感じる場合は、資産運用に挑戦してみましょう。50~60代からでも、資産運用を始めるには遅すぎるということはありません。本格的な老後生活が始まるのはおおむね70代ごろからです。50~60代の方の場合、長くて20年近く余裕があるため、今から資産運用を始めれば運用期間をしっかりと確保することが可能です。

例えば、今までの貯金1000万円を15年間、運用利回り年5%で資産運用した場合、2113万7040円まで増やすことも可能です(「アセットマネジメントOne 資産形成について 資産運用かんたんシミュレーション」による計算)。うまくいけば手元にあるお金を増やし、老後資金である2000万円を達成することができます。

もちろん、売買のタイミングによっては損をすることもありますが、約20年間という長期投資を行えば、資産をゆっくり増やしていける可能性は高いでしょう。

50代60代の資産運用の始め方

50代60代から資産運用を始める場合、比較的リスクが少なく、手数料が安い商品を選ぶようにしましょう。

具体的には、インデックス投資信託と呼ばれている商品がおすすめです。インデックス投資信託とは、世界の代表的な経済指標と同じような値動きをする投資商品のことです。アメリカの場合はS&P500、日本の場合は日経平均株価などと連動します。

ゆっくりと利益を増やしていきたい場合は、アメリカなど先進国のインデックス投資信託を中心として、いくつかの商品に分散投資を行うと、リスクを減らし長期運用でお金を増やしていくことができると考えられます。

どうしても損をしたくない場合は、日本国債がおすすめです。国が発行している債券のため安全性が高く、銀行の普通預金に置いておくよりも利率が良いので、多くはありませんが安定してお金を増やしていくことが可能です。

また、運用益を非課税とすることができる一般NISAやつみたてNISAの活用も検討してみましょう。NISA制度には年齢制限がないため、50~60代からでも利用することができます。お得に資産運用を行うことができるNISA制度は、ぜひ活用していきましょう。

まとめ

老後資金が足りないかもと漠然とした不安を抱えている方は、まず具体的な行動に移すことが大切です。貯金額を確認する、資産運用について調べてみるなど、老後資金の確保に向けて動き始めると、老後への不安は自然と消えていくでしょう。今回ご紹介した内容を参考に、自分の老後の生活や老後資金について見直してみてはいかがでしょうか。

出典

厚生労働省 令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 令和3年12月 厚生労働省年金局
アセットマネジメントOne 資産形成について 資産運用かんたんシミュレーション

執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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