多彩な料理でPR レタス栽培発祥のすさみ町

レタス料理で来場者を楽しませた催し(2日、和歌山県すさみ町で)

 レタス栽培の国内発祥地とされる和歌山県すさみ町で2日、地元産レタスを使った特別ディナーを楽しむ催しがあった。レタスによる地域おこしにつなげようと町観光協会が主催した。各地から訪れた人らが多彩なメニューに舌鼓を打った。

 関係者によると、レタス栽培は、同町の江住出身で「サンタマリアのレタス王」とも呼ばれた南弥右衛門氏(1880~1973)が伝えたとされる。渡米してレタスやセロリ栽培など農業や貿易で成功し、江住中学校の体育館建設費を寄付するなど故郷にも貢献した。

 今回、南氏の誕生日であるこの日を「レタスの日」とし、同町でレタス栽培や振興に取り組む農家の矢形孝志さん(54)や観光協会、関係者が協力して初めて企画した。

 催しは料金制で、同町周参見の町多世代交流施設「イコラ」であった。料理は、同町への移住者とつながりがある「大和野菜レストラン・ナチュラ」(奈良市)が担当。みなべ町や白浜町、和歌山市、東京都など各地から約30人が来場し、岩田勉町長も出席した。施設内の一室には、南氏の功績を紹介する展示もした。

 ナチュラのオーナーシェフ、野村武司さん(50)は「イタリア料理と四川料理の技術を使い、レタスの魅力を感じてもらえたら」と、「海鮮3種の盛り合わせ」や「燻製(くんせい)オキザワラとレタスの春巻き」「イノブタとレタスの回鍋肉」など、蒸し、焼き、炒め物といった変化に富んだ料理を提供した。

 田辺市から訪れた女性客は「いろんな食感が楽しめた。レタスと海鮮の相性の良さに驚いたし、全体の料理もバランスが良くておいしかった」と満足した様子だった。

 中嶋淳・観光協会長(64)は「地場産業を盛り上げたいという思いで企画した。人と人がつながり、町を盛り上げることにもつながる。来年以降も『レタスの日』のイベントを継続したい」と語った。

レタスを使った料理の盛り合わせ

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