サキシマハブ拡散注意 那覇で捕獲、浦添疑い例

 沖縄県希少野生動植物保護条例で指定外来種に指定されている有毒ヘビ「サキシマハブ」1匹が11月18日、那覇市港町の那覇新港ふ頭近くの路上で捕獲された。浦添市伊奈武瀬の県中央卸売市場の場内でも11月3日、サキシマハブと思われるヘビ1匹が捕獲された。県衛生薬務課がまとめる市町村別の駆除数によると、2011~21年の期間中、那覇、浦添で駆除されたサキシマハブは18年にそれぞれ1匹のみ。生息・繁殖が確認されていない区域での捕獲のため、衛生薬務課は咬症被害が出ないか警戒している。

 サキシマハブは八重山諸島原産。1970年代に沖縄島の観光施設に持ち込まれ、70年代後半に施設から盗難・放逐され、糸満市南部を中心に生息・繁殖しているとされる。

 那覇新港ふ頭近くでの捕獲は11月18日午後8時30分ごろで、近くの会社に勤める男性が発見し捕殺した。体長は約1メートルで雄の成体だった。県中央卸売市場では11月3日午後9時ごろ、警備員が場内で発見し通報。警察が捕殺した。体長は約1メートル20センチで雌雄不明。

 衛生薬務課は那覇、浦添での捕獲は「生息域が糸満から北上したものではなく、陸上輸送の貨物に紛れていた可能性が大きい」という見方を示している。

 併せて、サキシマハブを含む有毒ヘビ4種の咬症被害でこの10年、死者は発生していないとしつつも「後遺症が残り苦しむ人は少なくない」と指摘。「サキシマハブを含めて沖縄に生息するヘビは冬眠しない。動きは鈍くなるが、有毒であることに変わりなく、注意してほしい」と呼び掛けた。

  (安里周悟)

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