長与町立中「学校から休日部活指導をなくす」 地域移行へ 来年度初めに完了

地域移行の必要性を説明する金﨑教育長=長与町役場

 長崎県西彼長与町教委は来年度当初までに、町立中学校の運動部活動のうち休日に行うすべての活動を地域に移行する方針を固めた。教職員の超過勤務が問題になっている中、全国に先駆けて学校から休日の部活指導をなくす。引き続き指導を希望する教職員は、対価を受け取る手続きをすれば可能とする。

 2日、顧問や外部指導者向けの説明会を開き、こうした改革案を提示した。実現すれば全国のモデルケースになり得る。
 国は2025年度末までに全国の中学校で休日部活を学校から切り離す方針を示している。これに先立ち、長与町では昨年7月から地域移行に着手。町内に三つある中学校の生徒が同じ時間、同じ場所で練習できるような環境の整備をすでに卓球部、陸上部、バスケットボール部などで進めてきた。
 2日の会合では先行事例を紹介。子どもたちは環境の変化を受け入れている一方、保護者の一部に不安の声があると報告された。同町の金﨑良一教育長はあいさつで「子どもたちが困らないように、スポーツができる場をなくさないことが何より重要。今のうちから引っ越しの準備をお願いしたい」と理解を求めた。
 活動の受け皿は総合型スポーツクラブを筆頭に、民間フィットネスクラブ、スイミングスクール、テニススクール、道場などを想定している。活動場所は主に町内中学校の施設を充て、指導者への対価として新たに月3千円程度の会費を徴収する。町教委は、地域移行が円滑に進むように各指導者に協力を求めている。


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